エースのエールは届くか――。中日・大野雄大投手(33)が来季3年目の石川昂弥内野手(20)に〝過酷ノルマ〟を課して侍ジャパン入りを目指せと猛ゲキを飛ばした。

 今季の大野雄は7勝11敗と白星こそ伸び悩んだものの、防御率2・95と変わらぬ安定感を発揮。3年連続で規定投球回もクリアした。夏には中日からただ一人、侍ジャパンに選出されて東京五輪の金メダル獲得に貢献。8日には愛知県スポーツ栄誉賞を受賞した。

 だからこそ言えることがある。エース左腕は竜の若手に「この先、五輪で野球(の採用)はいつになるか分からないが、WBCなど日本代表としての戦いは続く。中日には若くていい選手がたくさんいる。一人でも多く選出されるように頑張ってほしい」と訴える。

 その筆頭候補として期待を寄せているのが石川昂だ。「彼は高校ジャパンも経験しているし、向いてるのでは。まだ2年目の二十歳でも、物おじしないところは天性のもの。代表の場でも緊張せずに周りの選手ともコミュニケーションを取りながら、チームをプレーで引っ張っていける存在だと思う」と声を大にする。

 今季の石川昂はケガもあって一軍出場なし。それでも大野雄は「来季ドカンとやって(代表に)選ばれるくらいの成績を残してほしい」と言い、代表入りすることで「中日だけでなく、ジャパンでも頼りにされる存在になってほしい」と強調する。そのためにも「打率3割3分、30本塁打、100打点」ぐらいの活躍が必要というわけだ。

 大野雄自身も常に日本代表入りを意識しており「それは引退するまで変わらない。それが大野らしさというか大野雄大だと思う」と言い切る。エースの熱烈エールに石川昂は結果で応えるしかない。