巨人の中田翔内野手(32)が7日に、都内にある球団事務所で移籍後初となる契約更改交渉に臨み、今季年俸3億4000万円から大幅減となる1億5000万円で契約更改した。

 波乱の1年だった。今季は開幕から不振に苦しむと、日本ハム在籍時の8月に、同僚選手に暴力行為を働いたとして、球団から出場停止処分が下された中田。球界に激震が走ったが、同20日には巨人への電撃トレードが発表され、活躍の場を移すこととなった。

 心機一転と行きたいところだったが、移籍後も不振から抜け出せず、巨人では34試合に出場して打率1割5分4厘、3本塁打、7打点に終わった。中田は「本当に色々な方であったり、ファンのみなさんに心配や迷惑をかけてしまったことに関して、本当にしっかり自分の中で受け止めて、もっともっとね、結果を残して皆さんに恩返ししていきたいなと思います」と再起を決意した。

 昨季は打点王に輝いていることからも、本来持ち合わせている実力からすれば、今季の成績は当然物足りない。中田自身も「(来年は)いい意味でもっと荒々しく、今年に関しては自分の素を出せないままで終わってしまったので。もちろんプレースタイルもそうですし、自分らしさ、スイング一つにしてもそうですよね。ちょっと委縮してしまっている自分がいたので、来年はすべてを開放して1から頑張りたいなと思います」と、覇気のある姿を取り戻すことを誓った。

 オフには石垣島で、チームの後輩である秋広や古巣の姫野、ソフトバンクの黒瀬らと自主トレ予定。秋広から〝同行志願〟を受けた際には「『なんで俺?』とは言いましたけど。『もっと他にいっぱいおるやろ』て。『一緒にやりたいんです』とは言ってもらえたので」と驚きを隠せなかったという。それでも「僕が今まで自主トレ期間中にやってきたことに関しては変わらないと思うんですけど、しっかりと体を苛め抜く期間だと思ってるので。遊ぶ期間ではないのでね。しっかりこの時期に、これだけやるっていうのを一緒に苦しみながらやりたいなと思います」と、自身共々、かわいい後輩をしっかりと鍛え上げる覚悟だ。

 オフの鍛錬の元、万全の状態でキャンプを迎え、目指すは打点王だ。「やっぱりもう一度、打点王というものには返り咲きたいなとは思っているので、そこにこだわっていきたいなとは思います」。北の大砲の復活へ、オフも猛特訓を重ねていく。(金額はすべて推定)