「ヤマエ久野 九州アジアリーグ」に来季から参入する「福岡北九州フェニックス」の西岡剛監督(37)が6日、北九州市内で就任会見を行った。

 NPBではロッテ、阪神で活躍。海を渡りメジャーでプレーした経験も持つ。2019年からは独立リーグ・栃木でプレーしていた。今回、新チームの初代監督を選手兼任で務める。「選手10割、監督10割」を力強く宣言した。

 また、会見では報道陣に「監督じゃなくて『スキッパー』(舵取り役)と呼んでください。監督は荷が重たい。選手も全員呼ばせるんで」と米球界などで使われる監督の呼称をリクエスト。

「僕の選手、コーチたちは西岡剛という船に乗っていただいたので、現場として舵を切っていきたい。一人でも多く若い選手たちがいい方向に進むようにしていきたい」と思いを口にした。

「エンジョイベースボール」がチームカラーとなりそうだ。いわゆる押しつけ型の指導を否定。「厳しさはメンタルの面ではスポーツに関して必要な部分でもあるが、バッターボックスで頭をフレッシュな状態で野球をさせる環境を作りたい。福岡北九州フェニックスには、それぞれへのリスペクトはあっても上下関係は一切ないです」。自らにも構えてほしくないという。「そうじゃないぞ、というのをいち早く教えてあげたい」。

 組閣も斬新なスタイルを検討している。すでにソフトバンクなどでプレーした寺原隼人投手コーチと、独立リーグ茨城の監督だったジョニー・セリス氏のヘッドコーチ就任が発表されている中で「ヘッドコーチ(セレス氏)、捕手のコーチ、内野のコーチと外国人をそろえようと思ってます」と青写真を口にした。その意図について次のように説明した。

「独立リーグはNPB出身者が監督、コーチをやることが多いんですけど、日本の文化の中で萎縮する選手もいる。ただ、選手が『はい』『はい』と聞くのは必要としていない。その子たちの考えている能力を引き出して、その子たちそれぞれに合う練習を作っていきたい。ベネズエラ、ドミニカ、アメリカだったりの人を呼ぼうと思ってますが、その地の練習は楽しんでやる練習がすごく多い。試合でポテンシャルを出せる体力作りや、体の動かし方を考えて組み立てていきたい」。

 日本ハム・新庄ビッグボスにも通じる新世代の指揮官像を漂わせる西岡スキッパー。「新庄さんは新庄さんだし、西岡剛は西岡剛の色をまた新しく作っていきたい」。あくまでも西岡流のベストな〝舵取り〟をしていくつもりだ。

 その上で今の野球界では厳しい指導を受けてきた上の世代と、若い世代のギャップも生まれてきていることを挙げ「はざまである30代、40代の僕らの世代がうまく変革というか、組織を変えていける存在でありたいとはいつも思っています」とも続けた。

 北九州は母方のお墓がある縁のある土地だ。NPB時代も北九州市民球場は抜群の相性を誇り、大活躍を見せた。「ホリエモン球団」としても注目が集まる新球団で、新たな風を吹かせられるか。