ハマの〝宝投〟はあくまでも慎重に育成する。DeNAの新入団選手発表会が3日に横浜市内のホテルで行われ、ドラフト1位の小園健太投手(18=市和歌山高)は背番号「18」に決定。三浦大輔監督(47)が現役時代につけ、2016年の引退後に欠番扱いとなっていた「横浜ナンバー」を譲渡された。

 真新しいユニホーム姿で他の新人8人とともに登壇したドラ1右腕は「プロ野球選手になったという実感が沸いた。『横浜の18は小園』と言ってもらえるような活躍をしたい」と表情を引き締めて語った。

 最速152キロを誇り、多彩な変化球も繰り出す小園には高卒ながら即戦力の呼び声が高い。指揮官も「その(背番号の)プレッシャーで勝てないようではプロではできない。より大きく小園を輝かせてくれると思う」と期待に胸を膨らませている。

 ただ三浦監督を筆頭とした首脳陣は小園がいくら「即戦力候補」とはいえ、前のめりになって1年目から率先的に一軍のマウンドで投げさせていく流れには慎重な姿勢だ。斎藤隆チーフ投手コーチは小園の指導方針について「彼ぐらいの素材になれば、球団との話し合いをもって将来像を描いていく必要がある」と述べ、股関節の成長度合いをチェックすることで今後のトレーニングの内容や起用法を決めていく方針も明言している。

「斎藤さんはヤクルトでのコーチ時代、当時ルーキーの奥川恭伸に関して球団側に骨端線のチェックを命じ、成長が止まっていないことが判明したため最初から負荷の強いトレーニングは行わせずに体幹作りからまずスタートさせた。これはロッテで吉井投手コーチが佐々木朗希に対して行った育成方針と同じ。小園も慌てずにじっくりとした育て方で将来のエースにしていく。そういう方向性だ」と球団関係者も補足した。

 未完の大器・小園は〝奥川&朗希式〟で焦らず大事に長いスパンで成長させていく。