真の〝坂本2世〟を求めて…。巨人の原辰徳監督(63)が、来季の主将として坂本勇人内野手(32)の続投を決めたことを明かした。来季で主将就任8年目となる坂本は、早くも今月で33歳。不動の遊撃手として長きにわたってチームを引っ張ってきたが、裏を返せば〝ポスト坂本〟が育っていないことも事実だ。球界内からはその理由として、意外な見方をする声も出ている。果たしてその内容とは――。

 来季も頼れる男がチームをけん引する。原監督によると、ジャイアンツ球場での秋季練習中、坂本に「(来季も主将を)どうだ?」と尋ねたところ、本人は「もう1年やります」と応じたという。誰もが納得の任命ではあるが、今回、指揮官があえて続投の可否の意思を確認したのは「少し楽な状態で野球をやらせるのもいいかな、というのもあった」という。それでも、即答で快諾した坂本のその決意には「たいしたもの」と脱帽した。

 主将としてナインを引っ張るだけでなく、不動の遊撃手としても長年、チームをけん引してきた。守備負担の大きい遊撃を守り続けているだけに、今月で33歳となる坂本には今後はコンバートも一つの選択肢となってくるが、指揮官は「そこは望むところだと思うよ。駄目だと思ったらその時に本人が(申告するはず)。僕自身もそれが正しいと思えば、話すこともあるだろうし」と、本人の意思を尊重することを明かした。

 問題は、坂本の存在を脅かす後任候補が育っていないことにもある。これまでも〝坂本2世〟と評され、遊撃のレギュラー奪取を期待された選手は数多くいたものの、定着には至っていない。

 その一因として、球界内からはこんな見方をする声も出ている。「恐らく『坂本勇人』という名前に若手が委縮してしまってるんだと思います」とはある球界関係者。そのワケとして「周囲から『坂本を超えろ!』と期待をかけられても、その壁はあまりにも大きすぎます。そもそも球界全体で見ても坂本選手を超える遊撃手なんていまだに出てきていないじゃないですか。そんな簡単に超えられる存在ではないわけですから、割り切って考えたほうがいいと思いますね」と指摘した。

 とは言え、世代交代は避けては通れない。球団内からは「そもそも、最初から『坂本さんは超えられない』とあきらめてしまってはいないか。現実問題として実際に超えるまでは難しくても、食らいついていく気持ちは持ち続けなければいけない」と、若手への発奮を促す声も聞こえた。

 右打者としては史上最年少での2000本安打を達成するなど、その壁はあまりにも偉大過ぎる――。果たして、この高いハードルに立ち向かう後輩は出てくるのか。