日本シリーズ第4戦が24日に東京ドームで行われ、ヤクルトが2―1でオリックスに勝ち、対戦成績を3勝1敗として2001年以来20年ぶりの日本一に王手をかけた。ヒーローは6回1失点で日本シリーズ初勝利を挙げた石川雅規投手。41歳10か月での日本シリーズ勝利はセ・リーグ最年長記録で、アラフォーの星が大舞台で輝きを放った。

 また一つ記録を打ち立てた。ヤクルトの石川が2015年以来6年ぶりの日本シリーズに先発を果たした。6回を投げ被安打3、1失点(自責点0)の好投を見せ、日本シリーズでの自身初勝利を挙げた。

 41歳10か月での日本シリーズ勝利はセ・リーグ最年長。両リーグでは毎日(現ロッテ)・若林忠志の42歳8か月に次ぐ史上2番目。6年前に初挑戦したソフトバンクとの日本シリーズは第1、5戦に先発してともに黒星を喫し、チームも日本一を逃した。お立ち台に上がった左腕は「めちゃくちゃうれしい。何とか監督の気持ちに応えようという思いが強かった」と笑顔がはじけた。

 そんな石川は年齢を重ねても意識し続けていることがある。それが若手へのライバル意識だ。毎年、新しい投手が入ってくるとそれとなくフォローしながらも「まだまだ若い選手と競い合って『やれるんだぞ』というのを見せたい」と闘争心をかき立てた。

 シーズン前に「チーム内の競争に勝たないといけない」と語るのは「同じ成績なら若い選手が使われると思うから」との理由からだ。そのための努力も惜しまない。17年には10歳年下の小川にカットボールの握りを聞いたりもした。

 目標は50歳で引退した中日の山本昌。ロッカーに山本昌の年度別成績を張る石川は「その年齢までできるかわからないですけど」としつつも「目標を低くすると、その前で(現役を)辞めることになりそうだから」と高めに設定している。

 昨年から指揮を執る高津監督への思いもある。石川が入団した02年に守護神としてチームを支えていた高津監督に春季キャンプで食事に誘われた。そこで高津〝投手〟から野球界のイロハを教わった左腕はその恩に報いるべく奮闘している。

「優勝して高津監督を胴上げしたい」と話していた石川は既にリーグ優勝、CS優勝で2度の指揮官の胴上げに参加した。左腕の熱投で01年以来、20年ぶりの日本一まであと1勝に迫り、自身初の日本一へ後輩たちにバトンを託した。