「ヤクルト・高橋 VS オリックス・宮城」息をのむ投手戦 伊原春樹氏が指摘した “勝負の分かれ目”とは

2021年11月21日 22時00分

好投したオリックス・宮城(左)は8回途中で無念の降板となった(東スポWeb)
好投したオリックス・宮城(左)は8回途中で無念の降板となった(東スポWeb)

【伊原春樹 新・鬼の手帳】見応えのある投手戦だった。オリックス・宮城とヤクルト・高橋の両先発は大舞台でも、おのおのの持ち味を存分に発揮していた。息つく間もないとは、まさにこういう試合のことを言うのだろう。

 ただ、強いてポイントを挙げるとするならば、勝負の分かれ目となった8回はほんのわずかながらオリックスのバッテリーに〝ミス〟が生じたように思えた。一死一塁から塩見、青木に連打を浴びて先制点を献上したシーン。塩見に1ボール1ストライクからの3球目、そして青木には1ボールからの2球目を詰まりながらも外野へ運ばれたが、いずれも狙い打たれたのは内角直球だった。

 しかも両打者に対しては全球ストレート勝負。終盤でギアを引き上げ、強気の攻めができるところはやはり20歳・宮城の大きな魅力だが、この場面に関しては変化球を組み込むなり、外角へ抜くボールを投じたりするなど、もう少し適度に力を抜くことも必要だった気がしている。

 2戦目で日本シリーズ初マスクをかぶった伏見は、当然ながら宮城の気持ちをくみした上での配球だったのであろうが、31歳の中堅捕手らしくマウンドの20歳左腕を〝セーブ〟させても良かったのではないだろうか。あくまでも「たられば」だが、いずれにしても宮城は素晴らしい好投を見せていただけに、非常にもったいない場面だった。

 対する高橋は「見事」だった。この投手の魅力は腕がもげるのではないかと思えるような力強い投球スタイルだ。最初からとにかく真っすぐを多投しながら〝曲がらない変化球〟も力でグイグイ押し込んでいくから、相手打者も根負けしてしまう。中盤までは毎回走者を背負いながらも最後まで三塁を踏ませず、値千金の完封勝利をもぎ取った。前日敗れはしたものの奥川の好投に続き、この日も高橋の力投を導き出した正妻・中村のリードも存分に光ったと評していいだろう。

 ヤクルトのヒーローは文句なしで高橋だが、陰の立役者である燕の扇の要・中村にも賞賛を送りたい。(本紙専属評論家) 
 

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