オリックスのジョーンズが日本シリーズでの活躍に並々ならぬ意欲を燃やしている。

 来日2年目の助っ人は今季公式戦こそ72試合で打率2割3分4厘、4本塁打、23打点の成績だったが、代打に限れば37試合で打率4割超え(4割2分9厘)をマーク。チームのリーグ優勝に貢献した。だが、年俸ベースで4億円を超える超大物だけに、来季オリックスに残れるかは未定。そこで本人は日本シリーズでの活躍で「日本残留」を勝ち取ろうというのだ。

 メジャーの駐日スカウトがその内情をこう明かす。

「AJ自身は来季もオリックスでのプレーを熱望しているようなので、日本シリーズ後に代理人を通じて残留交渉を行うようです。ただ、2019年オフに結んだ今季までの2年総額8億円以上というような大型契約はもはや期待できない。それどころかオリックス側は残留であれば、今の年俸の半額(2億円)でも高いと考えている。いくら代打で結果を残したといっても年俸に見合う仕事をしたとは言えない。そんな事情を本人も察知しているからこそ、日本シリーズでチームに貢献。日本一と同時に来季残留を確約させたいそうです」

 ジョーンズはシーズン中からナインに対し、打撃指導や強いメンタルの持ち方などを伝授。気さくに選手の相談に乗る人間性はチーム内でも高く評価されている。だが、オリックスにはすでにモヤ、ヒギンスを筆頭にラベロ、バルガス、スパークスマンと年俸1億円未満の優良助っ人がそろっている。

 そうした事情もあり、チーム関係者も「人柄はいいですし、残留してほしいとは思いますが、これまでの打撃や守備、走力を考慮すると、来季のポジションは微妙なところ。日本シリーズで大活躍すれば球団の評価が変わるかもしれませんが」と大舞台での活躍が残留に向けての条件と見ている。

 日本シリーズでもシーズン同様、代打の切り札として期待されるAJ。予想以上の活躍でチームを日本一に導けば好条件での再契約もあるだけに、ヤクルトは要警戒か。