〝ドクターK〟になる。巨人・桑田真澄投手チーフコーチ(53)が投手陣に大手術を施す。

 17日にジャイアンツ球場で行われた秋季練習では、ブルペン投球などを視察。チーム防御率がリーグ4位(3・63)に低迷した投手陣の再建へ、来季は補佐役から筆頭格としてけん引していく。桑田コーチは「今年1年は見る、観察することをテーマにやってきた。チーフコーチということで責任も出てきましたし、来年はしっかり実行する。病院で言うと診察が今年で、来年は治療するということですね」と独特な言い回しで決意を語った。

 真っ先にメスを入れるべき課題はハッキリしている。「やっぱり制球力ですね。防御率も4位。四死球率に至っては5位で6位の広島とほぼ変わらない」。さらに球団が解析したデータでは「ストライクゾーン率は12球団で最下位」だったという。

 打者を制するすべての源にあるのは制球力。桑田コーチはこうも力説した。

「あまりにもボール球が多すぎる。ゾーンの中に投げる力と、ボール球を振らせる力。それもコントロールなので。ホームベース前のワンバウンドなんて誰が振りますか? ストライクゾーンからボールに落とす変化球じゃないと(打者は)食いついてこない」

〝カルテ〟も明白だ。「ブルペンで、マウンドで、傾斜で投げるしかないですね」。現役時代は針の穴を通すような抜群の制球力を武器とした〝ドクター・クワタ〟が一大変革をもたらす。