ソフトバンク・小久保二軍監督が喪失を危惧する「草むらで遊ぶ」感覚 秋季キャンプで〝的当て〟導入

2021年11月15日 23時16分

練習を見守る小久保二軍監督(東スポWeb)
練習を見守る小久保二軍監督(東スポWeb)

 失われゆく感覚に危機感を募らせているようだった。ソフトバンク・小久保裕紀二軍監督(50)が宮崎秋季キャンプで「草むらで遊ぶ感覚」をよみがえらせる練習を導入した。サブグラウンドで行われたB班練習。見慣れないメニューがあった。「的当て」。遊撃手と二塁手のほぼ定位置付近に設置したネットを狙い、6分間に何回命中させられるかを競うレクリエーション性の高い練習だった。

 練習が始まるとグラウンド外まで選手、首脳陣の活気あふれる声と笑い声が聞こえた。「遊び心を持ちながらバットコントロール、ヘッドコントロールを覚えてほしい」。小久保二軍監督はそう端的に意図を説明した。

 導入経緯はこうだ。「手だけでポンと打って、どこどこを狙うっていうのは昔はよくやっていた。遊びでね。でも今年、結構そういうのができないなっていうのを感じた」。ヘッドコーチを務めた今季、一軍の戦いの中で引っかかる部分だった。藤本監督は「次の1点にこだわる野球」を信条とする。バスターやエンドランの精度向上はテーマだ。「一軍監督のやりたいことに対して準備ってのが大事」と小久保二軍監督は使命感をにじませる。

 なぜ、うまくいかないのか。レジェンドなりの見解がある。「僕ら小さい時、動くボールとか草むらでそういう遊びばかりしていた。でも、今の子たちって草むらで柔らかい球とかピンポン球とかで遊んだ子ってあまりいないんじゃないかって思う」。今はボール遊びができない公園もある。時代とともに変化する遊びの場。「本当は小さい時にそういう動く球をプラスチックのバットで遊んだりすると思うんだけど。そういうのが本能だと思うんだけど。今はみんな下からきっちり振る、と小さい時から教わってるんでね」。古巣に指導者復帰して1年目、狙った所に公言して打ち返せるベテランと、それができない若手を見てきた。「遊びの感覚の中でやった方がいいのかなと思った。だってエンドランってそういう感じなんで。来た時にポンと打たないといけないんで」。

 この日の的当ては「(遊びの)感覚の力量」を測る狙いもあったという小久保二軍監督。笑みを浮かべながらつけていたメモの中身は、希少な感覚の持ち主の評価だったのかもしれない。

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