オリックスのエース山本由伸投手(23)がCSの舞台で無敵の快投を披露した。10日のロッテとのファイナルS初戦(京セラ)に先発した右腕は9回を4安打無失点、10奪三振の〝無双〟ぶりで1―0と完封勝利。アドバンテージと合わせて2勝とし、日本シリーズ進出に大きく前進した。

 お立ち台に上がった山本は「ドキドキ、ドキドキでしたが、勝ち切れてホッとしている。初回に先制点を取ってもらって、途中からもうちょっと点がほしいと思いながら…」と笑わせ「アドバンテージはあるけど、この1勝は大事になる。絶対に勝ってやろうと思った。とにかく日本一で終われるように全力でいく」と力を込め、1万7000人の観衆をわかせた。

 序盤こそボール球先行で走者を背負う場面も見られたが、要所でキレ味鋭いカーブを決めて得点を許さない。初回に二死一、二塁から5番・T―岡田の右前適時打で先制点をもらうとグングンとギアを上げていき、5回以降は1人の走者も出さなかった。今季のロッテ戦はわずか2試合だけ。10月25日の最終戦の楽天戦から2週間の間隔が開いたが、まったく意に介さなかった。

 中嶋監督も「山本、山本、山本ですね。決していい状態じゃないのに素晴らしい修正能力で立て直した」とエースに〝脱帽〟。オリックスが頂点への階段を駆け上がる。