前半戦の好印象が吉と出るか凶と出るのか。ロッテがCSファイナルステージ第1戦で激突する、オリックス・山本由伸投手(23)の攻略に並々ならぬ意欲を燃やしている。

 ファーストステージ(対楽天)を2試合で勝ち上がったこともあってか、9日の前日練習でのナインは緊張感もなく軽快な動きが目立った。打撃練習では主砲・レアードが柵越えを連発させるなど、好調をアピール。3時間以上に及ぶ入念な練習だったが、チーム状態の良さだけが目立った。

 初戦の相手マウンドには今季18勝を挙げ、投手主要タイトルを総なめした山本が立ちはだかる。特にシーズン後半戦は15連勝。一度も負けていない無双右腕だけに、下馬評では「オリックス有利」が断然だが、意外にもロッテ側は山本を恐れていない。要因はシーズンの対戦内容だ。

 ロッテは今季、チームとしてオリックスと10勝10敗5分の五分で終えただけでなく、対山本も2試合で1勝1敗と五分だった。特に今季2度目の対戦となった5月19日の試合では山本から8安打6得点を奪ったほど。苦手意識どころか好印象しかないだけに、井口監督も「ウチ的にはそんなに嫌というイメージは持ってないと思うので」と淡々。

 その上で「しっかりと戦略を立てて。投球内容はいつもと一緒だと思うのでそのへんをしっかりとやっていきたい」と攻略に意欲をのぞかせた。山本にとっては不敵極まりない相手だろう。

 もっとも、ロッテの山本への好印象は無双状態になる前半戦の対戦によるもの。無敵だったシーズン後半戦は一度も対戦がないため、そのあたりは気がかりだが…。期待と不安が交錯する対戦から目が離せない。