CS突破のカギは、怪物よりもあの助っ人の状態次第――。

 2010年以来となる「下克上」での日本一を狙うロッテは、6日から本拠地ZOZOマリンスタジアムで楽天とのCSファーストステージに臨む。大事な初戦の先発マウンドを託されたのは「令和の怪物」こと佐々木朗希(20)。後半戦に入り安定した投球を続けているだけに、周囲からは「佐々木朗のデキがCS突破のカギを握る」とささやかれている。ただ、ロッテと対峙する楽天やオリックスは、怪物以上にチームの主砲・マーティンの「回復具合」を警戒しているという。

 マーティンは9月19日の日本ハム戦で自打球により右足甲を骨折。一時は今季絶望と言われたが、驚異的な回復力を見せ10月5日に戦線復帰を果たした。以後は患部が骨折したまま、シーズン最終盤までチームの主軸として試合に出場。ただ、ケガの代償は大きかったようで故障明け後の打席では三振が激増し、最後の出場5試合は18打数2安打6三振。四球や安打で出塁しても全力疾走ができず、走塁面でも不安をのぞかせていた。そんな状態だったため、相手陣営はマーティンの回復具合に神経を尖らせている。

 仮にマーティンが万全に近い状態にまで回復していれば、長打力や勝負強さは球界髄一だけに脅威そのもの。チームのムードメーカーでもあるため、ロッテに勢いが出る可能性が高い。他方、万全でなければ相手チームは無理に勝負せず四球を選択。全力疾走できない助っ人をあえて塁上に置き、次打者で併殺を狙う戦略も取れる。短期決戦は徹底的に相手の弱点を突くのが鉄則。楽天やオリックスもその辺りは容赦ないはずだ。

 手負いのマーティンの動向が下克上のカギを握りそうな今回のCS。結果はどうなるか。