日本ハムの新監督に新庄剛志氏が就任。4日に札幌で開かれた会見では、ド派手衣装とブッ飛び発言連発で全国のファンの度肝を抜いた。そんなスーパースターの帰還にワクワクしているのは、虎時代にヘッドコーチとして接した伊原春樹氏も同じ。鬼軍曹は「監督として必ずや成功する」と太鼓判を押している。

「日本ハムはいい選択をしたな」。新庄が日本ハムの監督になったと聞いて、それが私の率直な感想だった。サプライズでもなんでもない。「ああ、分かるなあ…」という思いのほうが強かった。

 新庄とは私が阪神のヘッドコーチをやっていた2000年の1年限りのつき合いだったが、彼の印象としては「素直でまじめ、誰に対してもものおじしないナイスガイ」といったところ。世間ではチャラチャラしたイメージが先行しているようだけど、こちらのアドバイスはちょっとしたことでも真剣に聞くし、年の離れた目上の人にもはっきりものを言うことができる。当時の阪神・野村監督の〝苦言〟に対しても、しっかりと受け答えしていた。とにかく一生懸命に練習に取り組む姿を応援したくなる、そんな選手だった。

 シーズン終盤にはこんな会話をしたのを覚えている。

「伊原さん、ボク来年、メジャーに行きたいんですよ」

「えっ、メジャーでやるの? 大丈夫か?」

「大丈夫ですよ」

「そうか、お前が行きたいのなら、行ったらいいんじゃないか」

 あの時も「大丈夫か?」とは聞いたけれども「無理だろうな」とは思わなかった。だから今回の監督も無理だとは思っていないし、人間的な面からしても、むしろいい監督になるのではないかと思っている。

 確かに球界から長い期間、離れていたブランクはあるだろう。それでもそんな不安は、努力家で聞く耳を持っている新庄ならすぐに埋めることができるし、周囲のスタッフもしっかりサポートしてくれるはず。日本ハム監督として必ずや成功できるのではないかと見ている。

(本紙専属評論家)