中日の次期監督就任が確実となっている立浪和義氏(52)に〝グッドニュース〟が届き、来季へ向けてチーム内外が早くも盛り上がりを見せている。理由は、いずれも今季限りで複数年契約が切れるダヤン・ビシエド内野手(32)とライデル・マルティネス投手(25)の今オフの去就が注目されていたが、残留が決定的なことが27日に分かったからだ。

 竜の不動の4番と絶対的守護神に対し、メジャーも含めて高額な年俸を提示できるソフトバンクや巨人、楽天などが獲得に乗り出す懸念もあったが、球団は早々と手を打った。ビシエドは今季までとほぼ同じの3年総額約11億円、R・マルティネスは推定年俸6000万円の2年契約から3年総額約6億円での条件提示にそれぞれ合意したとみられる。

 これは立浪新政権へかける球団の本気度の表れだともっぱらだ。あるOBは「正直、中日はおカネがなくてマネーゲームができないから、ビシエドとライデルの流出という最悪のパターンも覚悟しなければと思っていたけど、まさかこんな吉報が届くとは。与田政権ではほとんどロクな補強をしなかったから、立浪新政権ではそんな二の舞にならないようにバックアップを惜しまず、球団が優勝へ向けて本気になっている証拠。この調子で一発長打のある新外国人も補強してほしいね」と喜んだ。

 さらに波及効果も期待されている。昨季は8年ぶりのAクラスとなる3位も、今季は5位に低迷しシーズン終了。そのため、ナインも今オフは厳冬更改を覚悟していたようだが、チーム関係者は「来季からしっかり活躍して結果を残せば、ビシエドたちのように球団はちゃんと評価してくれて、おカネを出すということが分かったのでは。立浪新監督に代わって選手たちもモチベーションが上がるはず」とみる。

 渋チン球団を本気モードにさせた3代目ミスタードラゴンズの補強戦略が今後どうなるか、注目だ。