6年ぶりのリーグ優勝を決めたヤクルトで、投の立役者で真っ先に名前が挙がるのは、プロ2年目ながら先発ローテの一角を担った奥川恭伸投手(20)だろう。

 ルーキーイヤーの昨年は登板1試合で0勝1敗、防御率22・50だったが、今季は17試合に先発して9勝4敗、防御率3・35の成績で大黒柱の働きぶり。登板間隔は中10日、中9日と空いたが、投げれば結果を残した。6月20日の中日戦から10月8日の阪神戦まで54回1/3を連続無四球と抜群の安定感も見せた。

 志も高く「全球、自分の思った球を投げられるのが究極だと思います。思い通りのところに思い通りの球を投げる。それができたら気持ちいいですね」と言う。

 1試合の中で自身の思い通りに投げられた球は1割にも満たない場合が多いという。無失点に抑えた試合すら「結果がそうなっているだけ」と話すほどで「まとまっていて、なおかつ結果が出るのが一番気持ちいい」。

 それが、いかに難しいことかも理解している。

「そこはほとんど不可能といえば不可能なので、その中でどうやって抑えていくかって、しっかり考えてやりたいなと思います。調子が悪くても9回無失点で抑えられれば、やっぱりうれしいので。どんな姿でも、やっぱり自分が抑えて勝ちたいですね。それが一番の喜びなので」

 理想は理想として追い続け、まずはチームの勝利に貢献することを第一に考える。どちらも初出場となるCS、日本シリーズの大舞台を踏むことで、2年目右腕は輝きを増すに違いない。