巨人のウグイス嬢を45年間務めた山中美和子さん(64)が、23日のヤクルト戦(東京ドーム)で引退。最終戦セレモニーで原監督から背番号「385」(ミワコ)のユニホームを贈られた。

 この日も山中さんは試合の選手アナウンスをこなすと、観客が退場を終えるまで案内を続けた。後楽園球場時代から3000試合以上でアナウンスを行ってきた山中さんは、「年をとってくると集中力を持続できなくなる。ちゃんとできるうちにやめたいなと思って。ほっとしています」と振り返った。

 もっとも思い出に残っている試合はファン時代の1戦。「王(貞治)さんが阪急の山田(久志)さんから打ったサヨナラ3ラン。(1971年)日本シリーズで打ったやつなんですけど。一番残っている」と笑顔を見せた。

 今後は外から応援する。「(ペナントを)たぶん、普通にすんなり勝っていたら、また日本シリーズでやられる。こういう負け方をして、3位から下克上していって今年は日本シリーズで日本一になれるんじゃないかって、そういう風に期待しています」と1ファンとして日本一を信じていた。

 観客が去った後のグラウンドで、山中さんは球団職員によるセレモニーで送り出された。球界を代表する名物ウグイス嬢が静かにマイクを置いた。