若鯉・宇草の躍動に目を細める背番号38の先代・赤松二軍コーチ「もう二軍に帰ってこなくていい」

2021年10月22日 06時15分

ヤクルト戦でラッキーボーイぶりを見せつけた宇草孔基(東スポWeb)
ヤクルト戦でラッキーボーイぶりを見せつけた宇草孔基(東スポWeb)

【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】広島は21日のヤクルト戦(神宮)に11―7で打ち勝ち、奇跡のCS進出に首の皮一枚つなげた。負ければCS進出の望みが絶たれる一戦で5打数3安打と気を吐いたのが宇草孔基外野手(24)だ。

 3点を追う7回無死一、二塁の好機で放った中前打を中堅手の塩見が後逸。ボールが転々とする間に本塁生還して一挙3点で同点に追いつくというラッキーボーイぶりも見せつけた。10月はこれで4度目の猛打賞と赤ヘルの新リードオフマンに定着してきた2年目若鯉の活躍に目を細めているであろう男がいる。

 それは広島・赤松真人二軍外野守備走塁コーチ(39)だ。意外性のある長打力と、スパイダーマンと称される曲芸的な守備でファンを魅了。胃がんを克服し現役を続けた不屈の野球人だ。

 2019年オフに引退。20年に初めて指導者として臨んだキャンプではこんなことを話していた。「コーチだからもちろん、全選手に対して平等に接すると決めています。それでも、僕の背番号38を引き継いでくれて、足と打撃が売りでタイプのかぶる宇草を見てると気になってしまいます」

 成長を見守りつつ、時には厳しく時には優しく接した。「基本は守備だが、打てないと試合に出られない。助っ人が入ったりするとなおさら。捕手や内野手よりサインプレーなどに割く時間が少ない分、必死で打撃を磨いてほしい」と生きる道を説いた。

 宇草は16日の巨人戦でプロ初となる先頭打者本塁打を記録。続く17日の阪神戦は2試合連続の4号ソロでチームの3連勝に貢献した。勢いのある若手の存在は頼もしい。

 赤松コーチはこうも言っていた。「もう、二軍に帰ってこなくていいんです。顔を見る機会がないくらいに頑張ってほしい。一軍の勝利に貢献してほしい」

 背番号38が躍動する姿の裏には、先代の後押しがある。赤松のような記憶に残るプレーを鯉党も望んでいるはずだ。

☆ようじ・ひでき 1973年生まれ。神戸市出身。関西学院大卒。98年から「デイリースポーツ」で巨人、ヤクルト、西武、近鉄、阪神、オリックスと番記者を歴任。2013年からフリー。著書は「阪神タイガースのすべらない話」(フォレスト出版)。21年4月にユーチューブ「楊枝秀基のYO―チャンネル!」を開設。

関連タグ:
 

ピックアップ