無観客の京セラドーム〝サイレント胴上げ〟か…。オリックスは20日の楽天戦(京セラ)に2―5と惜敗。2―1とリードしながら7回にリリーフの富山、比嘉が打たれて逆転を許し、痛すぎる一敗を喫した。首位キープながら試合のなかったロッテのマジックは5に減り、中嶋監督は「あまりチャンスを作れなかった。残りを全力でやっていくしかない」と険しい表情で話した。

 どう転ぶか分からない展開の中、熱戦の裏では着々と優勝〝シミュレーション〟が行われてきた。チームは21日の西武戦(京セラ)を終えると24日に仙台に移動。25日のシーズン最終戦の楽天戦(楽天生命)が最短Vと同時に通常胴上げのラストチャンスとなる。しかし、決まらなければ大阪で〝待機期間〟に入る。ロッテの試合日(27日、29日、30日)には京セラに練習で集合し、ビジョンでロッテ戦を見ながら〝敗戦待ち〟。優勝が決まればグラウンドで〝サイレント胴上げ〟だ。

 球場関係者はコロナ禍を鑑み、昨年の巨人、ソフトバンクの優勝時の動画を確認しながら「同じようにやると思う。巨人のようにマスクと手袋をつけて監督を胴上げする形ですね。なるべく声を出さず、距離を取って万歳をやる感じです。気をつけてやっていただきたい」と注意を呼び掛けた。

 京セラなら会見後、再びグラウンドに出て無観客の中でビールかけに代わる〝マイク祝勝会〟が行われる。飲食はなしでクラッカーを鳴らしたり、マイクを持って各自が喜びを爆発させ、その様子を球団公式ユーチューブ「BsTV」でライブ中継する予定だが、日程が決められないことで著名なMCを呼ぶこともできず、おとなしい演出になりそうだ。

 敵地とはいえ、何とかファンの前で歓喜の瞬間を迎えたい…。