巨人は20日のDeNA戦(横浜)に3―2で勝利し、引き分けを挟んでの連敗が10でストップ。CSクリンチも1となった。出口の見えないトンネルに4年前の高橋由伸前監督時代の球団ワースト13連敗更新までよぎったが、球団内からは「今回の連敗の方がいつ脱出できるか分からなかった」との声が飛び出していた。

 同点の7回に丸が勝ち越しの21号ソロ。虎の子の1点リードを畠、中川、デラロサ、ビエイラ4人の救援陣で守り切った。

 10月2日のDeNA戦(東京ドーム)以来、14戦ぶり白星に原辰徳監督(63)は「これをやはり糧としないとね。全員の力を結集しないとなかなか相手を制することはできない」と振り返ると「この勝利というものをね、やっぱり良薬としてね。(選手)それぞれが受け止めてほしいね。それがチームとしても非常に大きな物に変わるのではないか」と期待した。

 これで今季残りはヤクルトとの2試合を残すのみ。借金も1となり、2018年以来となるシーズン負け越しも回避できる可能性が出てきた。そんななか、ようやく一息ついたチーム内からは「今回のほうが4年前よりも深刻だった」との声が飛び出した。

「17年は5連敗目からは交流戦のパ・リーグが相手。力の差を感じていたのか選手も『今日も負けるんだろうな』と暗い表情で球場に来ていました」と古参のスタッフは明かす。

 それが今回の10連敗はセ・リーグが相手。「リーグ2連覇中だったこともあって、選手たちも『今日は勝てるだろう』と、特に悲壮感もないまま試合に臨んでいた。それで毎試合毎試合、何となく負けていた。直接の敗因が分からないだけ、4年前よりも抜け出せる気がしなかった」(前出のスタッフ) 

 長いトンネルに4番・岡本和も「今日は勝つぞと思って(試合に)いくんですけど、終わってみたらなかなか勝ちがつかない。難しいですね」と首をひねっていた。この日、2番手で好救援し4勝目がついた畠も「正直、今も実感がないです。勝った時はうれしかったですけど。なんか、どうなんかなあって」とキツネにつままれた表情だった。

 そんなナインの様子を知ってか指揮官は「野村(克也)さんが『負けに不思議の負けなし』と。まさにそうだし、そういう部分は『ああ、よかった』じゃなくてね、一人一人が肝に銘ずるというところが大事」と、名将の言葉を引用し手綱を引いた。

 連敗記録を球団歴代ワースト3位タイで何とか止めた巨人。大型連敗がチームの血肉となるかどうかは、今後の戦いぶりにかかってきそうだ。