あくまで優先するのは勝利――。ソフトバンクは21日の日本ハム戦(ペイペイ)が今季の本拠地最終戦。同日は今季限りでの引退を表明している長谷川勇也外野手(36)の引退セレモニーも行われるが、本人の意向から〝出番なし〟に終わる可能性もある。

 ホークス一筋15年、多くのファンに愛されてきた鷹の求道者は「最後、ファンのみなさんの前で打席に立てる時があるのなら中途半端にはしたくない。バチバチに仕上げて、最後の打席を迎えたい」とファーム施設などで調整を続けてきた。しかし、チームはわずかに残るCS進出にかけて真剣勝負の真っただ中。その中でセレモニー的に出場することは本意ではない。出場選手登録してベンチ入りするものの、出番に恵まれるかどうかは試合展開次第になる。

 工藤監督は20日の全体練習後に「できる限りのことはしてあげたい」とした上で「(出場できるかは)状況にもよる。試合の中で判断した上で出せるところがあれば出してあげたい。状況によっては出せないということを本人にも了承を得てベンチに入れる」と説明した。

 鷹の打撃職人は、指揮官との〝本音トーク〟で「ベンチに入れるだけでうれしいです。出るところがあれば頑張ります」と伝えたという。最後の打席が巡ってくるかどうかは、後輩たちの頑張りにかかっている。