西武・松坂大輔投手(41)が引退試合となった19日の日本ハム戦(メットライフ)に先発登板。相手の「1番・DH」で出場した母校・横浜高の後輩・近藤健介外野手(28)に5球を投げストライク1球、ボール4球の四球でプロ野球人生の幕を閉じた。

 ストレートの最速は118キロだった。

 試合前に行われた引退会見で松坂は「本当は投げたくなかった。今の体の状態もあるし、この状態でどこまで投げられるのかというのもあった。これ以上、ダメな姿は見せちゃいけないと思っていたけど、引退をたくさんの方に報告させてもらうと、やっぱり最後にユニホーム姿でマウンドに立っている松坂大輔を見たいと言ってくれる人たちがいた。どうしようもない姿かもしれないですけど、最後の最後、全部さらけ出して見てもらおうと思いました」とこの日の登板の意味を語った。

 その懸念通り、投球自体は往年の松坂を知るファンにとっては寂しい姿だったが、今あるブザマな姿をさらけ出し、精いっぱいの投球でファンの歓声を浴びた功労者の姿は潔くすがすがしくもあった。

 登板を終え、マウンドに駆け寄ってきた西口投手コーチと笑顔で談笑した松坂は温かいファンの拍手に手を振って応え、最後に日本ハム側一塁ベンチ前まで駆け寄り栗山監督らに一礼。この場を作ってもらった感謝を示した。

 関わってくれた全ての人間に感謝の気持ちを伝えた松坂は最後は笑顔で数々の栄光を名勝負を残した本拠地マウンドを降りた。