鯉の指揮官も確かな手応えをつかんでいるようだ。広島は17日、阪神戦(甲子園)で4―2と快勝し、3連勝。3位・巨人とのゲーム差は2・5にまで肉薄し、残り3試合多く残すチームの逆転CS進出が「夢」ではなくなってきた。

 鈴木誠の今季7度目となる1試合2本塁打など打線は4本のソロが飛び出し、今季2勝5敗、防御率1・64と苦しめられた〝鯉キラー〟秋山ら阪神投手陣を完全攻略。試合後の佐々岡真司監督(54)は鈴木誠について「すごいですね。特に4点目。2点取られたところでの一発も大きかったですし、味方チームではありますけど、止められないぐらいの素晴らしい打撃をしてますね」と絶賛した。

 大一番で先発マウンドに立ち、7回途中を2失点と力投し今季4勝目を飾った2年目左腕・玉村には「こういう敵地の中で、ウチも今いい流れでプレッシャーがあった中で、ナイスピッチングだったと思うし、持ち味の丁寧に低めに投げていたと思う」と投球内容を称えた。

 また、16日の巨人戦(東京ドーム)で左肩を気にするそぶりを見せ、24戦ぶりに失点した守護神・栗林がこの日も9回から登板。四球と単打で一死一、二塁とされたが、後続を切って落とし、35セーブ目をマークした。2試合連続登板となったルーキー守護神に関し、質問を振られた指揮官は「ちょっと入りは慎重になっている気はしましたけど、その後はしっかり腕も振れていましたし、心配ないかなと思います」とコメント。

 そして最後は巨人と2・5ゲーム差にまで接近したことに「まあ、ウチは1試合1試合勝っていくしかないので、1試合に集中して、それだけです」と述べ、冷静な言葉で締めていた。