3位・巨人が14日の阪神戦(東京ドーム)でわずか1安打に抑えられ、0―3の零封負け。引き分けを挟む連敗は今季最悪の8まで伸び、最大15あった貯金も底をついた。すでにリーグ3連覇の道が閉ざされ、ドラフト会議も終了。球団の当初の想定を上回る7人を指名したことで〝リストラ枠〟も拡大されることが濃厚で、予想以上に厳しい秋となりそうだ。

 もはやドロ沼どころか底なし沼だ。打線はトラ投手陣の前に2016年7月7日以来、第3次原政権では初となる屈辱の1安打。14三振を喫する空回りでスコアボードに「0」だけを並べ、9回に守護神のビエイラが3点を失って万事休した。そして悪化の一途をたどるチーム状況に、試合後の原辰徳監督(63)の応対も異例のものとなった。

 9戦連続2得点以下の極貧打線に「うーん、何ていうか言葉がなかなか出てこないね」と絞り出すと「本当にジャイアンツファンに申し訳ない」とまさかの謝罪だ。9月以降、3度の5連敗以上で9月2日時点で15だった貯金はとうとうゼロに…。残り7試合だが、4・5ゲーム差に迫った4位・広島の存在がますます不気味になってきた。

 とはいえ、時は待ってくれない。来季への補強も始まった。ドラフト会議では1位で翁田大勢投手(22=関西国際大)ら7人を指名。ドラフト前の段階では指名人数を「5、6人」(球団関係者)と想定していたが、他球団との指名状況の兼ね合いもあって拡大した。

 指揮官は「非常に優れた投手の人たちが多かった。思っていた以上の選手たちを指名することができた」とえびす顔だったものの、抱えられる人数には限りがある。まして今季は支配下登録上限の70人を保有。すでに球団幹部は「(来季は)62人でスタートしたい」と明かしており、ドラフトで指名を上乗せした分、戦力外や育成落ちとなる人数も増やさざるを得ない。現状で戦力外を通告されたのは3年目内野手だった松井だけ。「62人」までスリム化するためには〝リストラ枠〟を広げて計15人、あと14人へ非情通告が必要となる。

 さらに、球界関係者は「巨人が指名した7人のうち6人が投手。チーム全体のバランスを考えれば、必然的に切られる人数が増えるのは投手では」との見立てを示した。弱肉強食の厳しい世界。夢に胸を躍らせてプロの門をたたく者がいれば、去る者も出てくる。今季の戦力外通告期間は第1次が25日までで、第2次はCS終了翌日から日本シリーズ終了の翌日まで。当落線上の選手たちにはつらい日々が続く。