オリックスの25年ぶりの悲願が遠のいた。天王山の14日のロッテ戦(京セラ)は1―6と敗れ、自力優勝の可能性が消滅。0・5ゲーム差で2位のロッテにマジック9が点灯した。

 先発の宮城大弥投手(20)とロッテ・佐々木朗の注目の〝高卒2年目対決〟も明暗がくっきり分かれた。宮城は立ち上がりからレアード、エチェバリアに長打を許して失点を重ね、5回を8安打、自己ワーストの5失点で降板。「ここが一番大事な試合というところで全然投げることができなくて…」(宮城)。一方の佐々木は最速158キロのストレートと鋭いフォークでオリックス打線を寄せ付けず、6回を5安打無失点、8奪三振の好投でチームに大きな1勝をもたらした。

 高校時代から剛速球で注目を浴び、鳴り物入りでプロ入りした佐々木朗は今年初登板し、3勝目。1年目からマウンドに上がった宮城は今季12勝を挙げる活躍でチームの躍進に貢献している。しかし、オリックスのチーム内では「もちろん場数を踏んだ分、投球術は宮城が上だけど、佐々木のポテンシャル、素材はすごいし、排気量が違う。まだ3勝といっても〝投げ抹消〟されながら大事に育てられている。投げようと思っても155キロなんて投げられない」ともっぱらだ。

 さらにチーム関係者はヤクルト・奥川を含め〝朗希世代〟と呼ばれることにも「ウチが優勝して新人王でも取れば〝宮城世代〟と言われるかもしれないけど、今は…」と12勝しても〝朗希の壁〟はまだ高いとした。

 窮地に立たされた中嶋監督はナインに呼び掛けるように「重圧は誰にでもある。シンプルに自分の球を投げてほしい。残り試合、打者も一打席、一球を大事にしてほしい」と話した。残り7試合、ベストを尽くすしかない。