14日の巨人戦に3―0で勝利し、首位・ヤクルトとのゲーム差を2に縮めた阪神だが、開幕からチームを支えてきた投打の主力に〝ガス欠〟の懸念が生じている。

 前日13日には開幕から先発ローテーションを守ってきた西勇輝(30)が右ヒジに異変を訴え、14日に抹消されたほか、東京五輪日本代表の岩崎優投手(30)、梅野隆太郎捕手(30)の2人のコンディションも不安視されている。

 阪神では、先発でリーグトップタイの13勝の青柳晃洋(26)も五輪組だが連日、試合にむけてスタンバイする必要がある2人はなおさら息を抜けない日々を続けており、蓄積疲労は五輪に出ていない選手のモノとは比較にならない。

「もちろん優勝の可能性がある限りはこのまま行くだろうけど、どこかの段階で一度、抹消させてリフレッシュさせたほうがいいんじゃないかと思うほど」と見守るチーム関係者も、2人の消耗度は心配の種だという。

 すでに出場を決めているCSは11月6日から。ポストシーズンでも2人の力は欠かせないだけに逆転Vへ最後まで戦いつつ、一定の〝冷却期間〟を取ることは一考の余地がありそうだ。

 五輪後もフル回転の125試合で先発マスクをかぶってきた梅野は、この巨人3連戦はベンチ入りも出場なし。2戦目まで新人捕手の栄田裕貴(23)を昇格させ、今季初の捕手4人体制で臨んでいたことからも、何らかの不安があった可能性もある。

 エースリリーバーの岩崎もこの日、8回を3者凡退に仕留め、両軍無得点の均衡を破った9回の3点につなぐ好救援で3勝目を挙げたが、これで58試合目の登板だ。

「代表で投げた分を考えれば、70試合分ぐらいの体力を使っているんじゃないかと思う。代表で投げた疲労はプレッシャーを考えれば、シーズン中のモノとは一緒にはできないですし。最近は直球が抜けるシーンも目立つし、敵ながら『タフだな』と感心しつつも、本調子ではないよなと思って見てます」とはライバル球団のスコアラー関係者。逆転Vの望みをつなぎ続けるチーム同様、チームの屋台骨を支えた面々もまた、ギリギリの戦いを強いられている。