無念のドローだ。阪神は13日の巨人戦(東京ドーム)を2―2で引き分け、首位・ヤクルトとは2・5差。結果的には、逆転Vへの望みがさらに厳しいものとなった。試合後の矢野燿大監督(52)も「ウチは勝たないとダメ。そんな中でやれるのは引き分けしかなかった」とポツリ。先攻で、同点の最終回は「負けないため」に守護神・スアレスを投入。守り切った今季8度目のドローも喜べなかった。

 背中の張りによりベンチを外れた4番・大山悠輔を欠く猛虎打線は、この日も好機で決定打を放てず。好調の近本光司(26)を定位置の1番から中軸の3番に置き、近本は3安打猛打賞と気を吐いたが、4番・マルテが無安打など、打線が噛み合うシーンは結局、この日も見られず。得点は8番・坂本の適時打と1号弾による2点のみと、貧打は相変わらずだ。

 さらにこの日はエース・西勇が2点目を失った直後の2回一死一、三塁で右ヒジに違和感を訴え、緊急降板。試合序盤から中継ぎ陣が奮闘を強いられたなか、馬場→伊藤将→アルカンタラ→スアレスの4投手が無失点リレーを見せ、G打線を封じ切ったのがせめてもの救い。試合後、指揮官は西勇について「いろいろ検査しないと分からない。病院に行かないと分からない部分が多いんでね」。

 4番・大山は14日からは打撃練習再開予定も出場は不透明な状況に加え、先発陣の一角を担う西勇にもアクシデントが発生。逆転Vの可能性が風前の灯になったのと同時にチームは故障者が続出し、指揮官の苦悩は日に日に増している。