白星が遠い。巨人が13日の阪神戦(東京ドーム)で2―2と引き分け。7連敗中の逆境をはねのけることはできなかった。

 この日も打線は湿りっぱなしだった。初回に岡本和の犠飛でチームにとって4試合ぶりとなる先制点を奪ったが、得点はわずか1点どまり。同点に追いつかれた直後の2回にも一死二、三塁から松原の内野ゴロの間に1点を奪って勝ち越したが、追加点には至らなかった。

 同点で迎えた9回に一死二、三塁とサヨナラの好機を作ったものの、吉川と松原がともに空振り三振に倒れてあえなくゲームセット。エース菅野が6回2失点と力投しながら、この日も打線の大ブレーキで勝利を呼び込めなかった。

 原辰徳監督(63)はしばらく茫然とグラウンドを見つめた後、ため息をつきながら首を傾げた。試合後は「何とか、何とか(手をバンっと叩く)、こうコンタクトしてくれるとね、ていうのはあったんですけどね。(最後は)三振、三振っていうね」とポツリ。「みんな日々新たにやっているわけですからね」と語るにとどめた。

 リーグ優勝の可能性がついえた今、CSからの下克上日本一を狙う巨人にとって、残りシーズンは本番を見据えた準備期間。直近10試合での平均得点がわずか1・5点と貧打にあえぐ打線の再起を促すため、首脳陣も試行錯誤を繰り返しているが思うようにいかない。指揮官も「いろいろ、あの手この手という形ですけども。なかなかかみ合わないというのが現状ですね」と頭を悩ませている。

 今季の巨人は上位打線が定まらず、特に5番打者に関しては今月に入ってからだけでも亀井、丸、ウィーラーが任されたが未だ定着していない。この日は打順を大幅に組み替え、ここまで24試合連続で3番に座っていた坂本を2番へ、丸を3番へ、そして中田が9月30日の中日戦(バンテリン)以来のスタメン起用となる5番へと変更したが、3選手とも無安打に終わって機能しなかった。

 大一番を迎える前に、打線の軸となる上位打線だけでもしっかりと固めておきたいところだが、果たして間に合うのか。巨人の苦悩の日々に終わりが見えない。