持つべきものはやはり相性のいい「女房」か。ロッテの小島和哉投手(25)がシーズン後半戦で好投を続けている。プロ3年目左腕は2018年にドラフト3位で早大からロッテ入り。1年目から開幕ローテーション入りを勝ち取るなど順調なプロ生活をスタートさせた。

 だが、1年目は3勝(7敗)に終わり、昨季も年間を通してフル稼働しながらも7勝(8敗)止まり。先発陣の柱になるには物足りなさが否めなかった。

 それが今季は別人のような飛躍を遂げている。シーズン前半戦を5勝3敗で乗り切ると、後半戦は8月18日の西武戦での勝利から3完投を含む無傷の5連勝をマーク。今やチームの大黒柱に成長しつつある。なぜ小島は今季、安定感抜群の投球を披露するようになったのか。

 最大の要因は今年6月にトレードで中日からロッテに移籍してきた捕手・加藤匠馬(29)の存在と言われる。

 あるパのスコアラーはその理由をこう話す。「小島は元来、多彩な変化球を中心に投球を組み立てる投手。にも関わらず、これまではパ・リーグということもあり直球を中心に相手と力勝負を挑むような投球が目立ち、結果的に大事なところで痛打される場面が多く見られた。だが、セ・リーグでプレーを続けていた加藤の加入で、小島の良さを引き出せるようになったのです」

 さらに「ご存じのようにセはパと違い、変化球を多投し、相手を交わす投球が中心ですからね。加藤は小島の持ち味を把握したうえで、セで培った変化球を中心とした投球で小島の良さを引き出しているのです。そう考えると今季の活躍は小島自身の成長もありますが、やはり加藤と出会ったことが大きいはずです」とその効果をを語った。

 12日のオリックス戦(京セラ)では2―0とリードした8回二死から宗に同点2ランを被弾。自身6連勝とはならなかったが、この日も8回6安打2失点で試合を作った。引き分けに終わった試合後には、責任を感じベンチで涙を流す場面も見られたが、投球自体は決して悪くなかった。次回登板でのリベンジを期待したい。