中日は12日、与田剛監督(55)が今季限りで退任し、来季の新監督としてOBの立浪和義氏(52)に就任要請をしたと発表した。球団史上最悪レベルの貧打でBクラスに低迷するチームの再建をミスタードラゴンズに託す。本紙は渦中の立浪氏を名古屋市内で直撃。球団史上最多の通算2480安打を放った竜のレジェンドは〝強竜復活〟に向けた熱い思いを語った。 

 ――今日、加藤球団代表と会った

 立浪 午前中にお会いして(監督就任)要請を受けました。

 ――前向きに考えている

 立浪 もちろんです。

 ――ドラゴンズに恩返しがしたいという思いがある

 立浪 そうですね。現役時代たくさん応援してもらいましたし、(引退から)12年という長い期間空いたんですけど現役を辞める前、辞めてからはドラゴンズの監督というのは目標でもありました。要請をいただいて考えるとかより、断る理由もない。まあ、いろいろ大変なこともあるでしょうけど。

 ――今日は組閣やコーチ陣の話はしたのか

 立浪 少しですね。これからやっていかないと。今はシーズン終わっていないのであまり自分のことでざわついてもいけないので。正式に発表したら組閣もすぐにやっていきます。

 ――意中のヘッドコーチは

 立浪 ある程度はね。条件面やいろんなことがありますし、これからですね。

 ――こちらの勝手の推測で出身校のPL学園ラインとか。同期の片岡篤史氏(52)、後輩の宮本慎也氏(50)といった名前も出てくるのでは

 立浪 ははは…。もちろん自分がやろうとしている野球は変わるわけではない。ただ自分は現場から離れていたので現場に近かった人に入ってもらって助けてもらいながらみんなで力を合わせてやっていきたいですね。

 ――組閣に関してはこれから球団と話し合っていく

 立浪 はい。ある程度任せていただいているので。

 ――今年のドラゴンズを見てどう感じたか

 立浪 投手力は防御率を見てもすばらしい。ただバンテリンドームでは成績いいんですが、ビジターでは悪いのでね。あと1点取れていれば、1点防いでいればガラッと成績は変わると思う。そのへんのところを詰めてやっていかないと。

 ――ドラフト会議の補強については

 立浪 自分は今回入っていないので何とも言えないのですが、いい選手を取ってくれたと思います。あとは自分たちが生かしていかないといけない。全力でやります。

 ――1位指名のブライト健太外野手(22=上武大)については以前から高く評価していた

 立浪 ただ映像でしか見ていないし、実際見てみないとわからない。性格も体の強さも詳しいことまではわからないのでちゃんと見極めてね。いいとなればどんどん使っていきますよ。

 ――中日ファンは立浪さんの現役時代のころのような強いドラゴンズ復活を期待している

 立浪 当時はメンバーもレギュラー陣もそろっていましたし、後ろもしっかりしていた。今年打てない打てないと言われているけど一番頼りになるのは投手を含めたディフェンスだと思うのでもう1回そこから。今年防御率がいいといっても、しっかりやっていかないといけない。

 ――改めて、就任要請を受けたときは「よしやってやろう」という感じだった

 立浪 そうですね。それが一番で(現役引退から)12年も空いてましたからね。ようやく来たなという感じでした。

 ――東スポとしても立浪新監督にドラゴンズを盛り上げてほしい

 立浪 騒がれることは悪いことではないのでね。もちろんドラゴンズのために野球界のために貢献できるように頑張っていきますよ。

 ――こんなドラゴンズにしたいというのは

 立浪 強いというのは当然なんですけど、うまくいかないときがあっても活気があるチームにしたい。

 ――厳しさも植え付けていく

 立浪 スポーツの世界ですから、ある程度はね。変なことに厳しくはしませんけど勝負に対しては厳しくいかないと。

(インタビュー・宮本泰春)