ヤクルトVならセが久々日本一? 前回15年の経験と高津監督の投手起用が強み

2021年10月12日 14時00分

高津監督(中)の采配に注目だ
高津監督(中)の采配に注目だ

【赤坂英一 赤ペン!!】「今年の日本シリーズは久々にセがパのチームに勝てるんじゃないか」

 セの優勝争いが大詰めを迎えている中で、下位球団からそんな“期待”の声が聞かれる。とくに最も勢いのあるヤクルトを推す声が非常に高い。

 日本シリーズは2013年以降、8年連続でパが勝っており、うち6回をソフトバンクが制覇。が今季はオリックス、ロッテ、楽天のどこかがCSを突破してシリーズ進出しそうな見通しだ。

 オリックスなら実に21年ぶりで、ロッテなら11年ぶり。楽天でも8年ぶりだ。ヤクルトがシリーズに出れば15年以来6年ぶりで、短期決戦の経験値はヤクルトが上。しかも「15年のチームに比べると、今年は確実に強くなった」と、某ヤクルトOBは強調する。

 その15年、14年ぶりに優勝したヤクルトは、前回優勝経験者がいなかった。マジック点灯試合に勝ったエース石川は「ここから先(の優勝)は僕らにとっては未知の世界」と吐露。優勝決定試合でサヨナラヒットを打った雄平も「打った瞬間は無心。感触も何も、全然覚えていません」と本音をもらしていた。

 優勝したとはいえ、2位の巨人とのゲーム差はわずかに1・5。真中監督は「ウチが勝てたのは、最後まで混戦で抜け出すチームがなかったから」と分析している。三木ヘッドコーチ(現楽天二軍監督)が言ったように、15年のヤクルトは「高校野球のようなチーム」。首脳陣もナインも励まし合い、一丸となって優勝をつかみ取ったのだ。

 しかし、日本シリーズではソフトバンクに歯が立たず、1勝4敗で惨敗。常勝軍団との実力格差はいかんともし難かった。

「しかし、今のチームには山田、中村、川端、石川、小川ら当時の経験と悔しさを覚えている選手が残っている。彼らが村上、塩見、奥川ら若いシリーズ未経験者を引っ張っていけば、かなりの力になるはずですよ」と先のヤクルトOB。

 さらに、今季6勝16敗2分けと最もヤクルトに負け越したDeNAの関係者はこう指摘する。

「今季のヤクルトは主砲・村上の活躍が目立つが、高津監督の我慢強い投手起用が躍進の最大の要因だ。とくに、抑えの固定にこだわらず、リリーフ陣の好不調をしっかり見極めていたのが大きい。マクガフ、石山、清水、田口らを適材適所で使い分け、いくつも勝ちパターンを作り出した。そこが他の監督よりも一枚も二枚も上手なんですよ」

 これなら、20年ぶりの日本一も夢じゃないか。 

 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。日本文藝家協会会員。最近、Yahoo!ニュース公式コメンテーターに就任。コメントに「参考になった」をポチッとお願いします。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」(講談社)など著作が電子書籍で発売中。「失われた甲子園」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。他に「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。

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