ここまでリーグ最下位の打率、本塁打、得点で貧打にあえぐ中日が、最大の補強ポイントである右の大砲候補の一本釣りに成功だ。都内で11日に行われた2021年のドラフト会議で、中日はブライト健太外野手(22=上武大)を単独1指名した。

 ガーナ人の父と日本人の母を持ち、身長184センチ、84キロで右投げ右打ちの大型外野手。50メートル走5秒9の俊足と遠投100メートルの強肩もあり、並外れた身体能力を誇る。

 会見では「チームの中心としてタイトルを狙えて、ハーフや野球好きの子どもたちに夢を与えられる選手になりたい」と将来の抱負を語り「ビシエド選手や福留選手からタイミングの取り方だったり技術面を聞いてみたい」と早くも弟子入りを熱望する。

 上武大硬式野球部で21年間も指揮を執る谷口監督をして「これまで私が見てきた野手ではナンバーワン。身体能力がズバ抜けている。体が細くて柔らかいのにキューバ選手のように飛ばす力はケタ違い」と舌を巻く。

 さらに高校まで都立(葛飾野)出身で伸び伸びと野球をやっていたとあって「大学1年のときは『投げ方が分かりません』と言っていた。ここまで身体能力だけで野球をやっていたので、まだまだ全然底を見せていない。これからプロで技術を吸収していけば上の世界でも成功できる」(谷口監督)と太鼓判を押す。

 異例の都立高出身のブライトが中日貧打の救世主となりそうだ。