ドラフト会議で1位指名のクジ引きで2度外した広島の佐々岡真司監督(54)は「残念ながら白紙の状態だった」と無念の表情で振り返った。

 4球団競合となった大学ナンバーワン左腕の隅田(西日本工大)を外し、法大の151キロ左腕・山下に切り替えたが、こちらはヤクルトとの一騎打ちに涙。外れ外れで関学大の黒原拓未投手(21)の交渉権を獲得した。

 1位指名した3選手はいずれも即戦力の大学生左腕で、クジは外してもチームの補強ポイントはぶれなかった。佐々岡監督は「即戦力の左がもう一枚、二枚ほしかった。この3人は評価していた」と語った。

 黒原は最速151キロの快速球を武器に、今春の関西学生野球春季リーグ戦で5勝1敗、防御率0・70と圧倒的な成績を残してMVP、最優秀投手、ベストナインの三冠を獲得。1年目から大ブレークした一昨年の森下、昨年の栗林に続く活躍が期待される。「キレのあるボールを投げており、即戦力として考えている。うちは若い選手が多い中で割って入れる。ローテを取れる選手になってほしい」と指揮官は大きな期待を寄せた。