車いすテニスの東京五輪金メダル・国枝慎吾(37=ユニクロ)が7日、ロッテ―楽天戦(ZOZOマリン)の始球式に登場した。

 万雷の拍手を浴びてスタジアムに現れたレジェンド。車いすでマウンド前まで行き、マスコットから白球を手渡されると巧みなチェアワークで投球位置を確認した。そのまま笑顔で投球動作に入ると、オーバーハンドから剛速球を披露。ミットを構えたロッテ・角中勝也、空振りした荻野貴司もビックリ。9歳で病気を患うまで野球少年だった国枝の潜在能力の高さを見せつけた。

 テレビ中継で解説を行った〝ミスターロッテ〟有藤道世氏も「すごいですね。僕はあんなに投げられないです」と舌を巻いた。投球フォームをスローで見た同氏は「右腕の振りがラケットで上から叩く感じですね」と解説。実際、テニスのプレーで見せる豪快なスマッシュをほうふつとさせるダイナミックな一投だった。

 国枝は東京五輪で通算3つの金メダルを獲得。先月の全米オープンでは2年連続8度目の制覇を達成し、4大大会で歴代最多の46勝(シングルス25V、ダブルス21V)を挙げた。作家の乙武洋匡氏をはじめ、国民栄誉賞を熱望する声も多数ある。