セ・リーグはどのチームもオリ応援!? 1日のソフトバンク戦(京セラ)に2―1で逆転勝ちを飾り、パ・リーグ単独首位に躍り出たオリックス。先発・宮城が7回を7安打1失点の好投で8月21日以来となる12勝目をマークするなど、チームは引き分けを挟み5連勝と勢いが止まらない。

 しかもチームには現在投手3冠独走で12連勝中のエース・山本が万全。左太ももの故障で長く戦列を離れていた主砲・吉田正も先月末に戦列復帰した。となれば、パのライバル球団だけでなく、日本シリーズで対戦の可能性があるセの上位球団もオリックスは脅威の存在のはずだが…。

 首位ヤクルトを筆頭に阪神や巨人もなぜか「日本シリーズにはオリックスに勝ち上がってほしい」と願うナインや関係者が圧倒的に多いという。理由はオリックスの本拠地が、パの上位3球団の中で唯一「ドーム」だからだ。

 今年の日本シリーズは東京五輪での中断の影響もあり、11月20日からスタート。その時期の屋外試合となれば、寒風が吹き荒れる日も少なくない。オリックスではなくロッテか楽天が勝ち上がり、日本シリーズとなればセの球団は屋外での試合を強いられる。ヤクルト、阪神も本拠地は屋外だが、故障リスクなどを考慮すれば数試合でも空調の効くドーム球場の試合がいい。そんな背景からセの各球団は密かに「オリ推し」に傾倒しているのだ。

 あるセの球団スタッフは本音をこう漏らす。

「本拠地がドーム球場という点なら、まだソフトバンクにもCS突破からの日本シリーズ進出の可能性はあります。でも、ソフトバンクは17年から日本一4連覇中。しかもここ2年、セはソフトバンクに1勝もしていない。仮に勝ち上がってきたら短期決戦の戦い方を熟知しているだけに、セの球団が勝てる可能性が限りなく低くなる。それならまだ、オリックスの方がくみしやすいはずですからね」

 混戦が続くパ・リーグだが、オリックスはセ界の支援を背に悲願のリーグ優勝にひた走る。