【取材の裏側 現場ノート】中日・山井大介投手(43)が今季限りで現役を引退することになった。2007年の日本シリーズ第5戦では8回までパーフェクトピッチング。「史上初の日本シリーズでの完全試合達成か」とナゴヤドームは大興奮に包まれたが、落合監督は9回に守護神・岩瀬をマウンドに送り大記録は幻となった。だが、中日に53年ぶりの日本一を呼び込んだあの日の快投は今でも多くのドラゴンズファンの脳裏に焼きついている。

 山井はかつてチーム内で〝UFOパワー〟の持ち主と言われていた。落合監督1年目の2004年1月、山井は落合英二(現韓国・サムスンライオンズ二軍監督)らとともにハワイで自主トレを行ったのだが、そのときにオレンジ色に光る物体が水平線をジグザグに飛んでいるのを発見。「あれは間違いなくUFOです。実は中学2年生のときにも見たことがあるんです」。こう語った山井はこの年、プロ初完封や日本シリーズでの初勝利を記録するなど先発投手として大きく飛躍した。

 山井と一緒にハワイでUFOを目撃した落合英は「リーグ優勝もしたし、あのUFOはいいことが起こる前兆だったんですよ。あのUFOは大介(山井)が見つけたんです。あいつが一番(UFOの)恩恵を受けていますよ」と〝UFO効果〟を力説。霊感の持ち主としてチーム内で一目置かれていた落合英がこう言っていただけに、中日ナインだけでなく記者も「〝UFOパワー〟は本当にあるのかもしれない」と妙に納得してしまった。

 通算成績は62勝70敗20セーブ。日本シリーズで完全試合を達成することはできなかったが、13年6月28日のDeNA戦では史上77人目のノーヒットノーランを記録した。14年には13勝5敗で最多勝と最高勝率のタイトルを獲得。43歳現役最年長右腕は中日球団の歴史に残る大投手だった。

「最近UFOは見た?」。コロナ禍になる前、ナゴヤ球場の駐車場でこう質問した記者に対して「ないです」と笑いながら答えてくれた山井投手。20年間本当にお疲れさまでした。またUFOを発見した際にはぜひ東スポまでご一報ください。

(中日担当・宮本泰春)