【デスクと記者のナイショ話】
デスク 中日はチーム打率2割3分8厘、358得点、63本塁打といずれもリーグワーストに低迷。前カードのヤクルト戦でも、40年ぶりの同一カード3戦連続無得点と歴史的な屈辱を味わったばかりで、貧打ぶりは相当重症だな。やっぱり10月11日のドラフト会議での1位指名は即戦力の長距離砲に決まりか?
中日担当記者 そうとも言い切れません。球団首脳や与田監督、松永編成部長らが出席して27日に球団事務所でスカウト会議が行われ、確かに右の大砲候補として駒大・鵜飼航丞外野手(22)、上武大・ブライト健太外野手(22)、慶大・正木智也外野手(21)らを1位候補にリストアップ。しかし、米村アマスカウトチーフは野手か、投手かについて「まだどっちにするかは分かりません。前日に決定するという話になった」と明言を避けました。
デスク 現状のチーム状態でドラ1を野手にしなくて大丈夫なのか?
記者 明言できないのは理由があるようで…。スカウト陣の間では今年の野手ビッグ3は鵜飼、ブライト、正木とみていますが、コロナ禍でほとんど視察もできていない現況もあって、確信を持って推すのは難しいようです。今年のルーキーの阪神・佐藤輝、DeNA・牧のようにいきなり1年目から20本塁打くらい打って新人王争いするような活躍を見せるのは、何年か先になりそうだとの見立てもあります。
デスク 今年のドラフトは野手勢は不作ということか。
記者 そのようですね。ただ、投手の方は高校生ですが、市和歌山・小園健太、高知・森木大智、ノースアジア大明桜・風間球打の3投手が好評価です。米村チーフは「ここら辺は頭一つ抜けている。僕が感じているのは、打者よりも投手の方が優秀だと思っている。だけど、会社からそういうふうにしろと言われたら、僕らは意地張って言えないので、分かりましたというだけの話」と言いつつも「高校生でも良い投手がいるのに、それを見送らないといけないのか討論になった」と苦悩の様子を隠せません。
デスク 中日の投手陣はリーグトップの防御率3・25を誇るだけに悩むところだな。
記者 補強が急務ながら即戦力になれるか未知数の野手か、高校生でも競合覚悟で素材抜群の投手か、今年の中日のドラフト1位は注目です。