西武・今井達也投手(23)の“自分探しの旅”に終わりが見えない。24日のロッテ戦(メットライフ)に今季21度目の先発登板するも、立ち上がりから制球が定まらず、四球を連発。3回までに90球を投げ4安打7四球3失点で降板した。打線の奮起で黒星こそ免れた今井は「自滅です。守っていただいている野手の皆さんに本当に申し訳ないです」と反省ばかりが口をついた。

 投手としてあふれる才能がありながら、それを操る性格面のナイーブさから自分の殻を破れない状況がデビュー以来続いている。本人もこの壁を乗り越えようと一昨年オフには楽天・涌井、昨オフにはパドレス・ダルビッシュに弟子入りしてきた。しかし、いい投球が続いてもそれが長続きすることはなく、そのたびに投球フォームに変更が加わり全体のバランスが崩れる悪循環となっている。この繰り返しに、近い関係者からは「いろいろな人にアドバイスを求めることはいいと思う。ただ聞いた以上はそれを信じてある程度の時間をかけて試していかないと成果に結びつかないのでは。彼には自分の意思というか、信じた一つのことを固める時間が足りないように思う」と、根本的な課題を指摘する声も聞こえてくる。

 即効性がないからと次から次に人にアドバイスを求めても手に入れるものはそう多くない。今の背番号11には自分の考えを固める時間が必要なのかもしれない。