首位相手に連日の快勝で、本格的な反攻態勢を整えた。ソフトバンクは23日のロッテ戦(ZOZOマリン)に5―0で勝ち、後半戦2度目の3連勝を飾った。打線が今季初となる3戦連続2ケタ安打となる14安打。ようやく打線につながりが出て、安定した投手力がかみ合い王者が本来の強さを取り戻した。

 背番号9の背中がこの日も大きかった。連日、献身的なプレーでチームをけん引する主砲・柳田悠岐外野手(32)。号砲を鳴らしたのは、先頭で迎えた2回だ。フルカウントからの7球目、真ん中高め141キロの真っすぐをバックスクリーンへ叩き込むリーグトップタイの27号先制ソロ。相手先発が当日に右腕の佐々木朗から左腕の土肥に変更されるイレギュラーに動揺することなく、チームに勇気を与える価値ある一発だった。

「(置かれている状況は)もう4位なんで、死に物狂いで一戦一戦やるだけ」。首位とは7ゲーム差。逆境を覆すには不可欠な主砲の大暴れ。スイッチが入ったかのように打棒が上向いている。17日に第3子の次男が誕生。「子供のためにおいしいご飯を食べさせたい」。2750グラムの小さな我が子を抱き、新たな決意をにじませた。3試合連続で4番に座り、すべて複数安打でチームも3連勝。文字通り「大黒柱」の活躍で、反攻ムードを一気に高めた。

 前夜も先制点をお膳立てして盟友・千賀の快投を引き出し、この日もマルティネスを攻守で勇気づけた。後半戦、打線の援護に恵まれなかった助っ人右腕に2か月半ぶりの8勝目が付き、大収穫の千葉遠征となった。

 24日からは本拠地に戻っての日本ハム、西武と下位チームとの3連戦が続く。「『もうこれ以上、体が動かない』というくらいまで頑張っていければ」と、工藤監督もムチの入れどころと見ている。もしかすると――。鷹の逆襲が、ついに始まった。