まさに王者の意地だった。4位に低迷するソフトバンクが22日のロッテ戦(ZOZOマリン)に4―1で快勝した。首位に8ゲーム差と逆転優勝への道は厳しいが、この日は投打の柱がプレーでチームを鼓舞した。

 1974年以来のリーグ1位での優勝を目指すロッテに〝本当の強さ〟を見せつけたのは1―0の4回無死二、三塁の場面だった。狙い通りの二ゴロを放った柳田は満足そうな表情を浮かべ、ベンチに戻っても笑みが絶えなかった。三走・今宮を生還させる価値ある凡打。気落ちした相手先発・美馬から続くデスパイネが左前へはじき返してリードを3点に広げた。「とりあえず1点という気持ちで打席に入りました。デスパイネもつながって最高の結果になりました」。柳田としても、してやったりだった。

 2回には先頭打者で二塁打を放ち、相手のファンブルに乗じて三塁へ。デスパイネの四球を挟んで牧原の右犠飛で先制のホームを踏んだ。絶対に負けられない一戦で2安打1打点。4番のつくった〝いい流れ〟で、7回にはリチャードが中押しの4号ソロ。打線は2試合連続の2桁安打と活気づいた。

 絶対的主砲がつくった好ムードを盟友が快投で応えて、さらに盛り上げた。変則的な中7日でマウンドに上がったエース千賀が8回途中3安打1失点で6勝目。最速158キロの真っすぐに、150キロのカットボール、伝家の宝刀フォークが冴えて9奪三振。敵地にはロッテファンのあきらめに近いタメ息が漏れ続けるほどのパフォーマンスだった。