WBC“不平等条約”結んだ背景

2012年09月08日 11時07分

 不参加決議を撤回し、第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場を表明した日本プロ野球選手会。今回の騒動は、元をたどれば2006年に行われた第1回WBC当時に結ばれた“不平等条約”が原因だ。日本代表のスポンサー権や代表グッズなどの商品化権が、WBCIに帰属。WBCのスポンサー収入のほとんどを日本企業からのスポンサー料が占めているにもかかわらず、分配率が米国66%、日本13%という点も問題視された。では“条約締結の張本人”である、第1回WBC当時にコミッショナーを務めた(在任期間04年2月~08年6月、代行含む)根来泰周氏(80)は今回の騒動をどう見ているのか。本紙の直撃に胸中を明かした。

×  ×  ×

 裏話をすれば、WBCが始まるころ、お金の話はいろいろとあって(日本側の)条件が悪いのは承知の上だったんです。それでも、野球人気を上げるためには国際試合が不可欠。海外での試合はファンの興味も大きくなる。野球は世界的な規模で人気のあるサッカーと違って市場が狭いので、どうしても米国に寄りかかっていくしかない。そういう判断もあって、お金の話は「二の次」として長谷川事務局長たちが熱心に(第1回WBCへ)一生懸命に動いてくれた。

 野球は日本国内では人気が高いけれども、高い人気にあぐらをかいていると大変なことになる。人気が落ちないようにするには、球団、選手、ファンが一体とならないといけない。球団とファンが「WBCに出たい」と言うのに選手が「出ない」では…。選手会がどこまで本気で言っていたのかはよく知らないけど、何にせよ出場が決まったのはよかった。今は野球が五輪から排除されているけれども、野球人気が世界的に盛り上がれば、五輪で復活することだってあるんです。

 僕は野球界から足を洗った人間ですけど、今も年に何試合かはチケットをもらって球場に試合を見に行っています。いち野球ファンとして、野球人気が盛り上がっていくのを期待しています。

×  ×  ×

 コミッショナー在任当時、根来氏は球界再編騒動などで「リーダーシップに欠ける」とたびたび指摘されることも多かったが、野球への愛情は今も変わらず持ち続けているよう。“WBC不平等条約”も「野球人気を盛り上げたい」という思いからくるものだったというが…。

 

選手会の究極目標は「日本版WBC」

「元祖・戦う選手会長」古田氏が新井にエール

ジャパンマネーで潤うMLB