選手会に「出ない」と言わせたNPBの責任重大

2012年09月08日 17時00分

【デスクの一撃】「出場」で決着した今回のWBC騒動は一体なんだったのか。どうにも違和感を覚えずにはいられない。

 それは一般ファンとの意識の差からくるものだろう。野球少年に「日本はどうしてWBCに出ないの?」と質問されたら、大人はどう答えればいいのか。選手会はホームページで「不参加決議の理由」について細かく説明したものの、子供に「選手会のホームページを見なさい」と言えばよかったのか。子供がホームページを見て理解できたとしても「お金が少ししかもらえないからか…」とガックリするだろう。

 先日、リトルリーグ世界一に輝いた、東京北砂リトルの久保洋一監督(72)とWBC問題について話をした。「大人の世界にはいろいろあるんだよ、と言ったって子供たちはわからないって。世界一になりたい、という純粋な気持ちがあるのならWBCに出てほしいよね」。リトルの子供たちは純粋な気持ちで世界一を目指して戦った。だからこそ感動を呼んだのだろう。その際にお金がいくらかかって赤字になるとか、これだけ儲かるとかを考えるのはチームを裏から支える大人の仕事。今回のWBC問題も、選手が口にすべき問題ではなかったのだ。

 だからこそ選手会に「出ない」と言わせてしまったNPB、ひいては加藤コミッショナーの責任は重大だ。選手たちの純粋な気持ちは疑われるし、それだけ大事な問題ならば、コミッショナーが「出ない」と言わなければいけなかった。「大人の世界にはいろいろあるんだよ」は、子供たちにとって憧れのヒーローが口にすべき言葉ではない。