ジャパンマネーで潤うMLB

2012年09月08日 11時00分

 日本プロ野球選手会(新井貴浩会長=阪神)が、来年3月に開催される第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場を決めた。1年以上にわたって出場・不参加で揺れたWBC問題は決着した格好だが、この決定を誰よりも喜んでいるのは、MLBとMLB選手会並びに、両者が共同設立したWBCを運営する事業会社、WBCIだろう。

 そもそも今回の問題は、選手会が昨年7月の臨時大会で第3回WBCへの不参加を全会一致で決議し、日本代表のスポンサー権とグッズの商品化権を求めたことに端を発した。過去2大会では、スポンサー収入の約70%が日本からもたらされているにもかかわらず、収益分配が米国(MLBとMLB選手会)の66%に対して日本がわずか13%にとどまっていることを疑問視したものだが、この点に関しては何も改善されないままだ。

 日本野球機構(NPB)側も担当者が再三渡米して交渉を重ねたが、WBCI側は「代表チームのスポンサー権とライセンシング権(商品化権)を、すべてWBCIに譲渡すること」との参加条件を盾に聞く耳を持たず、「条件変更するつもりはない」の一辺倒。先月半ばまでに日本代表独自のスポンサー権などは日本側に帰属することが確認されて事態は前向きに動き出したが、WBCI側が譲歩したわけではない。言うなれば、日本が新たに見つけた油田の権利に関しては口を出さない…というだけのことだ。

 選手会が振り上げたコブシを下ろしたことで、結果的に不平等な収益配分を認めてしまったことになった。WBCが続く限りMLBやMLB選手会はジャパンマネーで潤うのである。

 

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