松坂“苦悩の調整” 開幕に黄信号

2015年02月10日 08時15分

ブルペンで投球練習する松坂を見つめる(左)から佐藤投手コーチ、工藤監督、摂津

 9年ぶりに日本球界に復帰したソフトバンクの松坂大輔投手(34)が8日、今キャンプ2度目のブルペン入りをした。その一挙手一投足に注目が集まり期待は膨らむばかりだ。しかし松坂本人は苦悩の調整を続け、そもそも開幕に間に合うかどうかも定かではない。平成の怪物の完全復活ロードはイバラの道だ。

 今キャンプ2度目となったブルペンで、松坂はプレートの後ろからの投球を含め、捕手を座らせて58球を投げた。手応えは「前回よりもよかったです」。修正に取り組んでいる投球フォームに関しては「ちゃんと進んでいっていると思うことができました。あとはいかに体に覚えさせるかですね。ネットスローとかもやった方がいいかもしれませんね。思うように進まないと不安に思いますが、今のところ順調に来ています」と話した。

 ただ、気になる発言も漏らした。開幕ローテを前提としての調整に関しては「まだ、そこまで逆算するとかは考えてないです。まずは、そういう話ができる段階に行くことだと思います」とコメント。まずはフォーム固めを最優先していく考えだ。

 この日のブルペン投球を見守った佐藤投手コーチも歯切れは悪い。「良かったよ」と言いながらも「今のままで固まってくればな」という条件付き。問題点も少なくないようで「まだまだ足が突っ張っているが、肩はしっかり振れている。向こうでやってきた形とはだいぶ変わってきているから自分のものになるのにはすぐにとはいかないけど、腕が上がっていたし、バランスがよくなっている」と話し、まだフォーム固めの初歩段階であることをうかがわせた。

 誤算もある。米国時代にナーバスになっていたマウンドの硬さだ。一般に米国は日本より硬いと言われ、松坂も故障の遠因となるなど苦しめられてきた。今回の日本球界復帰でその問題も解消すると思われていたが、松坂が離れていた8年間で日本のマウンド事情も変化。WBCなど国際試合が増えてきたこともあって、各球場のマウンドが9年前より硬くなっている。

 ヤフオクドームにしてもWBC1次ラウンドが開催された2013年に投手陣の意見交換の末に硬め仕様に変更された。それは松坂も把握しているし、もちろん米国よりは断然軟らかいが、久々の日本球界復帰となる右腕にとっては、微調整が必要な部分だ。実際問題として日本式のスパイクがいいのか、米国式のスパイクがいいのかも考えているという。固まっていないのは投球フォームだけではないのだ。

 ブルペン投球後の松坂は、工藤監督とサブグラウンドで青空対談し、今後の調整スケジュールなどについて聞かれたという。「工藤さんに対しては(信頼は)つくっていくものなので。(工藤さんも)若い選手ではないので、だいたい分かるだろうという感じでした」。しかし現時点では、次の第3クールから始まる紅白戦での登板は予定していない。キャンプ初日に「まだお見せできるようなきれいな形じゃない」との理由からブルペンでの投球練習を非公開にした段階から脱したのは間違いないが、開幕どころかオープン戦での登板がいつになるのかも不透明なのが現状だ。ファンも含めて周囲が求め、期待する「松坂大輔」が完成するのはまだ先のことかもしれない。