球界を代表する好打者がこのまま終わってしまうのか――。巨人は18日のヤクルト戦(東京ドーム)で最大4点差を追いつき6―6で引き分けた。首位・阪神と3・5ゲーム差と、何とかV戦線に踏みとどまったが、その一方で3試合連続スタメン落ちの丸佳浩外野手(32)はいよいよ後がなくなった。

 先発メルセデスが初回に2度打球が当たる不運もあり早々と失点。4回には塩見に3ランを被弾するなど序盤に5点を失った。その塩見にG投手陣は6回にサイクル安打を達成される屈辱を味わった。

 一方、G打線は4回坂本、中島、5回北村とソロ攻勢。7回には坂本の同点適時二塁打が飛び出し辛くも2連敗を逃れた。原監督は5回に代打で4号ソロを放った北村に「ねえ! 久々になんか彼らしいね、非常にいいバッティングができましたね」とたたえると「まあ、引き分けたというところでしょうね」と最大4点差を追いつく総力戦を振り返った。

 そんなギリギリの戦いを続けるチームでこの日も蚊帳の外だったのが丸だ。3戦連続ベンチスタートとなると、2点を追う7回無死二、三塁で代打で登場も勝負してもらえず四球。さらに9回無死一塁では中飛に倒れ、走者を進められなかった。

 7戦音なしの丸はこれで9月は36打数2安打、1本塁打、15三振、打率5分6厘と絶不調。それでも残り30試合を切っていることもあり、元木ヘッドは二軍再調整について「あるかいな」と否定。ヤクルト2連戦の相手先発は今季2打数1安打1打点の右腕・奥川、同じく5打数2安打2本塁打2打点の左腕・高橋で、ともに丸の〝お得意様〟。復活を信じて一軍に帯同している。

 他方でライバル球団からは「丸は打席に立って調子を上げていく選手。代打起用でたまに打っても復調にはつながらない。一軍でスタメンで使い続けるか、二軍で打席を与えるかのどちらかしかない」との声も…。ズルズルと帯同を続ける今の起用法は疑問というのだ。

 今季は4月に新型コロナ陽性で離脱し、6月に二軍落ちを経験。長嶋茂雄終身名誉監督の直接指導で一度は復調したものの、長いトンネルに入った。

 今月9日のDeNA戦(横浜)で安打を放つまで25打席連続無安打。9打数連続空振り三振の屈辱も味わった。26打席ぶり安打が同点適時打になると、丸は塁上で目を真っ赤にした。そんな劇的な一打でも復調には繋がらなかった。

 不調で11日に二軍落ちした同い年の中田翔が「阿部塾」で復調。二軍5戦で打率6割1分1厘、4本塁打、13打点の成績を残し最短21日の一軍復帰が濃厚となっている。果たして中田との〝入れ替え〟はあるのか――。首脳陣の決断の時は近づいている。