中日のドラフト戦略が波乱含みとなっている。

 17日現在、12球団トップのチーム防御率3・16を誇る投手陣に対し、野手陣はチーム打率2割4分2厘、総得点350、63本塁打といずれもリーグワーストに低迷。得点力不足が大きな課題となっている。

 ここ3年はドラフト1位で根尾→石川昂→高橋宏といずれも将来性豊かな高卒選手を獲得してきたが、今年は即戦力の長距離砲の補強が急務とされている。

 今秋のドラフト会議は不作の年ともいわれるが、ここまでスカウト陣はブライト健太外野手(22=上武大)、鵜飼航丞(こうすけ)外野手(22=駒大)ら右の大砲候補を上位候補としてピックアップ。チーム関係者は「今季は阪神の佐藤輝やDeNAの牧が1年目からホームランを打ちまくって活躍している。いまや投手陣は12球団ナンバーワンになっているんだから、ウチも一発長打のある社会人や大学生を今年は何としても取らないといけない」と指摘する。

 しかし、あるスカウトは「打てない、打てないと言われるけど、ウチにだって石川昂や根尾、岡林、石垣とか、いい選手はいっぱいいる。現場の指導者がどう育てるのか、どう起用するのかという問題の方が大きいのでは。もっとそういう選手を使ってほしい。特に石川は故障(左腕骨折)してしまったが、今年は開幕から一軍で起用してほしかった。すでに右の大砲はいるのに…。じゃあ、打線が弱いからといって投手は補強しなくてもいいとはならない。現状では左の投手も必要」と打ち明ける。

 2018年の根尾、19年の石川昂と2年連続で当たりくじを引き当てた強運を持つ与田監督だが、今秋10月11日に行われる運命のドラフト会議で再び出番はあるのか。そして誰を指名するのか…。注目される。