WBC出場もコミッショナーに不信感

2012年09月05日 11時55分

 日本プロ野球選手会の新井貴浩会長(阪神)は4日、第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への不参加決議を撤回し、出場することを表明した。選手会側は7月20日の臨時大会で不参加をいったん決議。これを受けて日本野球機構(NPB)はWBC主催者側と再協議し、選手会側が求めていたスポンサー料などの日本側への帰属を限定的に認めさせた。選手会ではこれを評価し出場することを決定。代表チーム編成や監督人事が焦点になるが、選手会側は加藤コミッショナーへの不信を強めており、こちらでも紆余曲折がありそうだ。

 

 巨人との伝統の一戦(甲子園)を前に、阪神の縦じまのユニホームで会見場に姿を現した新井会長はやや緊張しながら「WBC不参加を撤回することを決定しました。撤回したという報告をNPBにしました」と発表した。

 

 選手会では日本代表のスポンサー権などを日本側に帰属することを求め、7月20日の臨時大会で不参加を決定。日本中に大きな波紋を呼んだ。NPBではこの時点で参加方針を決定しており、大慌てで選手会の説得に動き、それと並行してWBC主催者側と再交渉を開始。8月、WBC開催期間中でも日本代表独自のスポンサー権などが日本側にあることを大会主催者に確認した。

 

 今後は日本代表「侍ジャパン」を専門とした事業部局を設置して事業を積極的に展開することを決めるなど新たな方策を立てて、選手会に方針変更を求めた。新井会長らはこの日、再協議を行い、決議の撤回を決めた。

 

 WBC主催者側は日本時間の6日に、大会開催のスケジュールを発表する予定で、そのあとに変更するのは難しい。まさにぎりぎりのタイミングで参加が決まった形だ。今後の焦点は世界3連覇を目指す新しい侍ジャパンのチームづくりへと移る。

 

 とはいえこちらもスムーズに進むかどうかわからない。というのも選手会側は今回の一件で、加藤コミッショナーに強い不信感を抱いているからだ。

 

 選手会が不参加を決議後、同コミッショナーは「震災復興という意味でもWBCを見たい人がいると思う」と話した。新井会長はこの発言を取り上げながら「本来はコミッショナーがイニシアチブを取って(WBC主催者側と)交渉しないといけないことなのにそれができていない。ファンや野球界のためだというのは筋違いだ」と厳しく批判した。

 

 選手会の松原事務局長も「ファンのことを口に出して、問題をすりかえてほしくない。コミッショナーも一緒に戦ってくれると信じていた中で、気持ちがなえるし、がっくりくる」と選手の気持ちを代弁した。

 

 加藤コミッショナーと選手の間に生じた“しこり”は新日本代表づくりにさまざまな影響を及ぼすに違いない。

 

加藤コミッショナーが弁明