営業、広告面で早くも大貢献!松坂に“ポスト・王”の期待

2015年02月03日 08時15分

ファンの大歓声を浴びた松坂

 プロ野球の12球団は1日、宮崎、沖縄の各地で一斉にキャンプをスタートさせた。最大の注目を集めたのはソフトバンクの松坂大輔投手(34=前メッツ)。9年ぶりに日本球界に復帰した“平成の怪物”をひと目見ようとキャンプ地の宮崎・生目の杜には1万7200人のファンと約200人の報道陣が集結した。ブルペンでの投球練習こそ非公開となったものの、その存在感は絶大。球界内外から熱視線を送られている松坂には、球団から“ポスト・王”としての期待もかけられている。

“平成の怪物”は少しも色あせていなかった。キャンプ地の生目の杜は松坂をひと目見ようと人、人、人。約200人の報道陣も9年ぶりに日本球界に復帰した右腕の一挙手一投足に熱い視線を送った。

 やはり何をしても話題になる。この日は早速ブルペンで投球練習を行ったが「まだお見せできるものではないなと。いろいろ修正している姿がきれいではない。あまり見られたくないので」と非公開にした。しかし「見るな」と言われれば「見たくなる」のが心情というもの。ブルペンを退去させられた多くの報道陣は“隙間”を探し求め、練習が終わるまでひたすら待った。もちろん、そこまでするのは相手が松坂だからだ。

 そんな注目度の高さこそが、球団の求めているものだった。九州では絶大な人気を誇るソフトバンクだが、全国的な露出となると分が悪い。2007年からファン層の拡大を目指し、独立テレビ局「TOKYO MX」と組む形で、ほぼすべての主催試合を東京地区でも放送しているが「うちの場合、どうしても九州の中での人気となってしまう。あの○○選手…と言えるような誰にでも分かる全国区の選手がいない」(球団関係者)のが現状だ。

 その点、横浜高時代から全国区の大スターだった松坂は、人気だけでなくカリスマ性もある。ここ数年はメジャーで苦しんだとはいえ、日米通算164勝、WBCでは第1回、第2回と2大会連続でMVPを獲得した過去の実績は申し分ない。ソフトバンクが獲得に乗り出した背景には「戦力としてはもちろん、お客さんを呼べる選手でもある」(球団フロント)との理由もあった。

 この日の集客以外にも既に“松坂効果”は表れている。メーン球場のフェンスを彩った、例年をはるかに上回る広告もその一つだ。営業関係者は「予想以上ですね。ここまで盛り上がるとは思いませんでしたよ」と表情をほころばせている。

 ただ、ソフトバンクは松坂がもたらす“日銭”に喜々としているわけではない。目先の集客や収益よりも、もっと大きな期待を寄せている。ある球団幹部は「松坂は将来の監督候補か?」の問いに「もちろんです」と迷うことなく断言。さらに「(ともに西武出身で全国区人気の)秋山前監督や工藤監督は(現役時代に)チームを優勝に導いてくれた」と続けた。

 実績と知名度のある大物選手に監督の“約束手形”を出す例は珍しくないが、ソフトバンクが描く青写真は通常のそれとも違う。2005年にダイエーから球団を買収した際の決め手となり、孫オーナーが終身政権を希望していた王監督(現球団会長)に匹敵する存在になってほしい――。松坂には“ポスト・王”にまで上り詰めてほしいと願っている。

 松坂は「(ファンが)どれくらいか、と楽しみにしていた。本当にすごくて緊張した」と殊勝に話したが、周囲の期待は膨らむばかりだ。