中日は8月3日に27歳で急逝した木下雄介さんの追悼試合で白星を届けた。5日のDeNA戦(バンテリン)で負ければ最下位転落の危機だったが、2―0で勝利。0―0の8回二死二塁で代打・福留の決勝適時二塁打、続く京田の適時二塁打で2点目を奪った。投手陣も先発のロドリゲスが5回無失点と試合をつくり、リリーフ陣は無失点リレーを披露した。

 以下は与田剛監督(55)の一問一答。
 
 ――木下雄介投手の追悼試合で選手が意地を見せた

 与田監督 そうですね。とにかくこのところ点が取れていない状況が続いて、今日も苦しい展開だったが守り勝った。ジャリエル(ロドリゲス)も四球を5つ出しながらも、何とか粘り強く投げてくれた。その後、リリーフもよく頑張ってくれたので。打てないときは守り勝つしかない。その打つ方もベテランの(福留)孝介が見事に先制というか、決勝点となるタイムリーを打ってくれたので大きかったですね。

 ――先発のロドリゲスも粘りを見せた

 与田監督 もともと両サイドにビシビシのコントロールがあるタイプではないので、そういうことを求めているわけではないが、あれだけ力強いボールがあるので、それをストライクゾーンに投げ込んでいくこと。今日のように苦しんだとき、走者を背負ってもホームを踏ませないという、その辺りが徐々にできてきているので、何とかあとは四球を減らしてほしい。

 ――6回からは田島がマウンドへ

 与田監督 そこまでも、一つの四球から流れが悪くなるところだったので、球数も98だったので、思い切って代えていこうかなと。みんなよく頑張ってくれた。

 ――8回にヒーローとなった福留も京田も気持ちの入った打席だった

 与田監督 もちろん、今日が雄介の追悼試合であることは変わりないが、雄介が倒れてからみんなの思いは変わらない。今日だけ何か特別に頑張ったわけではない。今日、初めてご遺族がお見えになって、本当にさまざまな思いで球場に足を運んでいただいと思うが、そこに対してわれわれは何としても勝利を届けたかった。せっかく来ていただいたので。その思いが結果になって良かった。

 ――リリーフ陣もその気持ちを背負いながら抑えた

 与田監督 そうですね。そこはどうしても結果が出なければ、当然言われる世界だが、いろんな運も今日はあったと思う。今日だけに限らず、雄介のことは常々考えながら今後も生きていくので、みんながいろんな思いを大事にしていかないといけない。

 ――木下雄介とはどういう投手だった
 
 与田監督 大好きな子、大好きな選手ですね。一言で言えばそれだけですよ。野球に対してもそうだし、一人の若者としても僕は大好きな男だから寂しいが、みんな乗り越えるしかない。