今季開幕投手に抜てきされた福谷浩司投手(30)が、後半戦では週の頭の先発を務める「火曜の男」を任されている。

 前半戦は15試合に先発し、4勝9敗と苦しんだが、後半戦に入り安定した投球を披露。17日の広島戦(バンテリン)は相手先発・森下との投げ合いを制し、7回無失点の好投で白星を挙げれば、24日のヤクルト戦(静岡)では打線の援護がなく10敗目こそ喫したが、プロ初完投となる8回2失点と力投した。

 阿波野投手コーチは「どうしても負けが込んでくると練習も滅入ってきたりとか、気持ちが乗らないとかあるけど、自分のやった内容っていうのをこちらも正当に評価している。福谷は今、結構自分で手応えも感じながらやってくれている」と目を細める。

 慶大理工学部卒で9年目の福谷は読書家で知られ「教授」のニックネームを持つ。登板後はSNSの「note」で〝振り返り〟を行い、きっちり自己分析するなどファンの間からも好評を得ている。

 打席でも研究熱心だ。前回24日にヤクルトの相手先発・高橋について「高橋君は高めに素晴らしい真っすぐを投げてきたが、ストライクゾーンかなと思って振りにいったら全然ボール球だった。そこに意識があるから、ああいう緩いカーブやチェンジアップにどうしても手が出てしまう。本当に投手としてお手本みたいな投球だったので、打席から見て本当に良い投手だなと思った」と打ち明ける。

 31日の阪神戦(甲子園)で投げ合う青柳についても「素晴らしい投手。年下ですけど、彼の何が打ちづらいのか、前向きにどんどん学んでいきたい」と貪欲な姿勢を見せる。

 後半戦で「火曜の男」を任されただけに投げ合う相手はエース級ばかり。福谷にとって相手先発がすごければすごいほど、打席でも吸収&研究し、さらなる進化を遂げるつもりだ。